⑦
「……何をなさっておいでですか」
ピシっ。
ヒュ~。
うん。そんな感じです。
ジークフリートが凄まじい目付きでこっちを睨んでいます。
がくがく、ぶるぶる。
冷房不要ですね。
一家に一人、絶対零度鬼教育係をどうぞ。
暑さ対策万全デスヨ。
今ならお手ごろ価格で手に入ります。
完全予約販売のため離宮IN皇太子執務室まで先着1名様ごあんな~い。
……と。
意識が逸れたが(勿論みっちりと怒られました)。
「ハロルド様の護衛武官見習いが到着しましたので、皇宮謁見室までお越し
くださるようにと宰相閣下より伝言を承っております」
「護衛武官?ジークいるし、いらないよ」
「そうは行きません。すぐに用意なさって下さい」
面倒くさい。
サボりたい。
「くれぐれも、サボろうなどとなさいませんように。皇帝陛下の真似事は
一切なさらなくて結構です」
……はぁ。
最近ジークフリートの愛情が薄い気がする。
2年前はあんなに甲斐甲斐しく(!?)面倒見てくれていたのに。
「……ジークが冷たい」
睨まれました。
「……これが終われば一月後には調停式です。その後ならばお休みを取って
頂くことも可能になるかもしれません」
……お休み?
うん。
さっさと終わらそうか、謁見というか宣誓式。