④
作業着に、幅広の麦藁帽子。
こうやって見ると完璧に農家にしか見えないね。カート。
「これはハル様」
「調子はどう?」
「前回に植えたものはようやく根を張ったようです。ケラソスのほうも苗木
を植えておりますし、しばらくは見守ろうかと」
「そっかぁ。葉っぱは?」
「葉も状態がいいものを頂きましたので、いくつかに分けてとっております。
ハル様もお使いになられたいかと思いまして」
よく分ってるじゃないか。
にっこり。
「カート、やっぱりえらい~」
「ありがとうございます」
さすが下僕……(げふんげふん
「じゃ、それ持って~部屋行こう?ちょっと実験したいし」
「……まさか」
「真術をお使いになられるのですか?」
「うん」
「……それは」
「ここでしてもいいんだけど~」
疲れたらカートかジークが抱っこで移動……。
う~ぁ~ぅ~。
い・や・す・ぎ・る!
「他の人が見てる可能性あるし?」
「そうですなぁ……」
「では居室の方へ?」
「うん」
ぐる~りとUターンしようとしたら。
躓きました。
何で、こんなところに石ころがあるんだぁ。とか。
地面と抱擁するまであと少しとか。
顔から行くのは嫌だなぁ……とか思っていたら。
ジークがガシッと掴んでくれました。
「やはりお疲れのようですから、お連れしましょう」
ひぃぃいいい~。
丁重に断ったのに。
抱っこされました。
精神へのダメージが半端ないです。
お姫様(皇子様か?)抱っこは恥ずかしい。