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 がきっ。


 ばきゃっ。


 ぎぎぎぎぎ……。


 怪しげな音が辺り一帯に広がる。


 「……ハロルド様」

 「ん~?」

 「何を為さっているのかと、お尋ねしても宜しいか?」

 ジークフリートが怪音の原因を胡乱気に見つめる。

 「日曜工作」

 「……は?」


 ぼぐっ!


 (有り得ない音がし始めた段階で御止めしたほうが良かったのだろうか?)

 ジークフリートは溜め息を吐いた。

 ハロルド様の執務用の机の上は大量の魔鉱石の屑が積みあがっていた。


 ぱぎゃ。


 アルメィダ国特使から献上された最高級魔鉱石は献上時の1/3程度の大き

さしかない。

 「ん~もう少しなんだよね」

 (何が、とは聞いたほうがいいのだろうか?)

 ごりごりごり。

 一心不乱に作業されるハロルド様は可愛らしかったが。

 何分手付きが危なっかしい。

 今にも指どころか手首を落としそうである。

 暫くして。

 納得する大きさになったのか、ナイフを片付けてくれたことにほっと息をついた。

 ……が。

 今度はどこから取り出したのか、小型の粉砕機で魔鉱石の屑を粉に変えていく。

 どうやら何かの形を作りたかったわけではなく粉砕したかったらしい。

 (しかし。魔鉱石を粉砕してどうなされるおつもりなのか)

 魔鉱石は通常動力源として使用される。

 五属性のうちの一つを帯びることが多く、炎属性ならば炎魔術の媒体、水属

性ならば水魔術の媒体……というように。

 「よし、で~き~た~」

 終わったらしい。

 机の上には元魔鉱石だったもの(黒色の砂もどき)が小山を作っていた。

 「ジーク」

 「は」

 ハロルド様は愉しい事を思い付いたときの表情をしていた。

 (この表情をしたときのハロルド様は碌な事を為さらないのだが)

 「ちょっとね?真術使うから」

 「は??」

 「言ったからね?」

 (宣言すれば使って良いというものではないでしょう!)

 慌てるものの。

 ハロルド様はすでに術を展開させていた。

ジーク視点です。

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