⑬
「では、始めましょうか?」
そういったのは宰相だった。
いま客間にいるのは皇帝・宰相・ジーク・カート・リーナとマリーに私の7人だ。
「マリー……とういかアルメィダとしては調停をして欲しいんだよね?」
「はい」
「それなんだが……。俺的には助けてやりたいんだけどな?」
シリルが口を濁す。
「争いが起きそうなたびに我が国を頼られても困ります」
と、これは宰相。
「……それは……」
あ。
マリーの顔色が蒼褪めた。
うーん。
初めから予定されていた答えだけれど。
そうなんやかんやと首を突っ込みたくはない。
「正直、自分の国のことは自分で面倒見て欲しいんだよ」
うんうん。
仕事、増えるものね?
主に、宰相の。
「……はぃ……」
「……と、言いたい所だが、まぁ、ハルのお願いだしな?」
ぅええ?
「俺は可愛いハルのお願いは何だって叶えてやりたいし……」
私ですか。
……確かに何とかならないかお願いポーズで聞いてみたけれど。
「今回だけ、その話し合いの場を持つように図ってやってもいいぜ?」
「……ほ、ほ、本当に?」
「ああ」
「その結果がどうなろうとも我が国に遺恨を残さないという条件付ですが、
それで宜しいのでしたら」
「は、はい。構いません。このまま一方的に開戦となれば兵力の劣る我が国では
蹂躙されるのが目に見えておりますので」
……。
「では、詳しい日時はおって決めるとして、今日のところは終わりにしよう」
「はい」
「ラシャ様は皇宮の客人としてお迎えする」
「はい」
よかった。
無事に終わりそうだ。
「……これでいいんだよな?ハル。もう嫌いなんていわないよな?」
……ああ。
一気にへタレわんこに……。
そして威厳もかけらもない。
……シリルにシリアスを求めた私が馬鹿だった。
「うん、いわないよ」
にーっこり。
……次に言うときまでは、ね?
皇帝陛下が出ると一気にへたれる気がします