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 カートが呼んでくれた竜車に乗り込む。

 あ、中は結構広いや。

 絨毯もふかふかだし。

 初めて乗るけど、これなら納得かなぁ。

 「あ、ありがとうございます」

 「どういたしまして?」

 「カート、怪我見てやって」

 「はい」

 「あ、あの、あなたたちは一体……」

 混乱しているお姉さんを横目にカートが傷の具合を確認する。

 「これならば大丈夫でしょう」

 「一応僕の知り合いに見てもらおう。それでいい?お姉さん」

 「は、はい」

 ガッチガチに固まってる。

 おかしいなぁ。

 「誰も取って喰わないから安心して?彼は僕の部下でカート。僕はハル。

 今日は街に買い物に来てたんだ。お姉さんは?」

 「ぶ、か……?」

 あ。12~3歳の子どもが60ぐらいの大人を部下って言うから変なのか。

 でも本当のことだしなぁ。

 「うん。嘘じゃないよ」

 「そ、そうでしたか。私はマリー・エルツです。先ほどは危ないところを助

 けて頂きありがとうございました」

 「大したことはしてないよ。お姉さんは何であそこで絡まれてたの?」

 「それは……」

 「あ、言いたくないなら別にいいよ?」

 「いえ。……少し時間を下さい。そうすればお話しする事も出来ます」

 「うん。まぁ、先に治療してもらお」


 がらがらがらがら。

 がらがらが……!

 回っていた車輪の音が消えた。

 竜車が離宮正門に到着したらしい。


 「カート、歩くの面倒だから中にはいってもらおう?」

 怪我してるのに長い距離歩かせるわけには行かないし。

 「畏まりました。……少々お待ち下さい」

 カートがいったん竜車から降りる。

 門兵に説明してくれたらしい。

 竜車が再び動き出す。

 「あ、あの。一体どちらに……医術院に行かれるのでは……?」

 医術院に行く間に門なんてあったかしら?と首を傾げるお姉さんに曖昧に

笑って誤魔化すわけにも行かず。

 「僕の家。あ、ちゃんと医師はいるから大丈夫だよ?」

 「え?」

 「ちょっと、門限あるからさ。医術院寄ると時間ないんだ。ゴメンね?お姉

 さん」

 「マリーでいいですよ?」

 「じゃあ、マリー♪僕のことはハルって呼んでくれる?」

 「はい」

 「あ。着いたみたいだよ」

 開いた扉から飛び降りる。

 あ。

 カートだ。

 先に従者に伝えてくれていたらしく、マリーは抱っこのままで客間へ直行。

 目を白黒させてて可愛かった。

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