終章 永遠の封印
今もなお、この南国の島を訪れる者は、決してアダン古道の先にある「オランダ洞窟」に近づいてはならない。
かつてのオランダ人船員たちのように、昭和の調査隊のように、何者かの手によって異界へと連れ去られる可能性があるのだから。
しかし同時に、この島の人々は知っている。オランダ洞窟は単なる恐怖の対象ではなく、多くの魂が眠る神聖な場所でもあることを。そこには四百年の時を超えた人々の想いが宿り、島の歴史そのものが刻まれているのである。
夕日が水平線に沈む頃、島のガジュマルの大木の下で、今日も尚のろが静かに祈りを捧げている。
「どうか安らかにお眠りください。私たちは永遠にあなたたちのことを忘れません」
潮風が頬を撫で、クイナの声が遠くから響く。ハイビスカスの花が夕日に照らされて金色に輝き、アダンの木々がざわめいている。
これからも島の人々は、この美しい自然と共に生き、オランダ洞窟に眠る魂たちを見守り続けるだろう。それが、この島に生まれた者たちの使命なのだから。
太平洋の青い海に浮かぶ小さな島で、永遠の謎を秘めた洞窟は、今日も静かにその存在を保ち続けている。そして、島の人々の祈りに包まれながら、その封印は決して解かれることなく、未来へと受け継がれていくのである。
(前編・完)
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは一切関係ありません。
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