おまけ・3人組のはなし
「……私思ったんだけどさ」
「うん」
「主任の友達の『かなたくん』とやら……あの子、絶対主任狙ってるよね」
「うんっ!うんうん!」
「思った思った」
「やっぱ萌木も咲元もそう思うよね?」
「いやみんなあの時思ったでしょ!思ってないの主任だけだよ!あたし写真見た時ビックリしちゃったもん!毎回写真撮ってる!しかも顔こんなに近い!これは牽制だ!って!」
「彼、きっと主任に会う時バチバチに服キメてるよね。そこらの大学生があんな小洒落た服を通学で着るかね」
「でもさでもさ、主任も満更じゃなさそうだったよね!あんな良い笑顔、なかなかできませんぜ!」
「いや~あれはもう恋しちゃってるでしょ」
「主任、付き合い始めたら教えてくれるかなぁ」
「付き合う前に手を出されそうで心配だわ」
「……」
「ん?比呂?」
「どうした?お腹痛い?」
「……主任が満更じゃない、となると、だ」
「う、うん……?」
「んん?」
「私は、失恋したことになる」
「……」
「……」
「……ぐすん」
「ひっ、比呂ぉ!」
「ごめん気付いてた!比呂が主任の事好きって!」
「そうそう!だって出社時間主任に合わせてるし、わざわざ主任が自販機行くときに同じタイミングで買い行くし……!気付いてないの主任くらいだよ!」
「あんな近くにいたのに……」
「届かねえのよ!恋っていうのはよっぽど狡猾に手を伸ばさねえ限り届かねえの!」
「それをあの『かなたくん』とやらはやり遂げたってわけか……」
「そういうことさ!」
「悪の参謀ビョウジャクもびっくりだね!」
「『ビョ・ウジャク』ね。……くそ、とりあえず意味もなくメッセージでも送って二人の時間に水を差してやる」
「良い良い!許される!今晩だけは許される!」
「カラオケ行こ?ね?んで一緒にシャウトしよ?」
「うん。……ぐすん」
「比呂ぉ!」




