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令嬢転生したけど恋愛フラグはまっぴらゴメンです!  作者: 高倉麻耶
第一章 第一王子ローランド
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第八話 ローランド王子は焦っていた

「何、いない⋯?!」

「そうなんです、娘の部屋をノックしても返事がなく、寝ているのかと思いましたが、もぬけの殻で、机の上にこんな書き置きが」


 ブルックス・ティアブレイド公爵は完全に憔悴しきった顔で、真っ青になっていた。

 その走り書きのような手紙を受け取って、ランプの灯りで照らすと、その筆跡は確かに、長らく手紙をやりとりしていたときのレイアのものだった。ローランド王子は心にひどい焦りを感じ、服の胸元を握りしめた。


「くそっ⋯間に合わなかったというのか⋯!」


 ローランドは側近ユーリに命じた。


「すぐに捜索隊を結成し、レイア嬢の行方を追うのだ!」

「はっ!」


 そして王子はティアブレイド公爵の肩に手を置き、安心させようと話しかけた。


「大丈夫ですよ、きっとレイア嬢はすぐに見つかります。僕はまだ婚約破棄など認めていません。あれは、きっと何かの誤解で、彼女が思わず口走ってしまっただけなんです。必ず誤解は解いてみせます」

「王子⋯⋯」

「僕にお任せください。今夜はどうか安心してお休みを」

「ありがとうございます。よかったな、お前」

「ええ、あなた。レイアはきっと無事ですよ」


 レイアの母、マイアは涙ぐんでいた。


「それでは、僕も捜索に行ってまいります」

「よろしくお願いします」


 ローランド王子は馬に乗ってティアブレイド公爵家をあとにし、急ぎ王城へと舞い戻った。


(レイア⋯レイア⋯僕の大切な婚約者! どうか、無事でいてほしい)


 王子の心は焦っていたが、その気持ちはどこか興奮にも似て、これまでの憔悴とは少し違った影を彼の胸に落としていた。

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