第四十五話 ミレイとヌルは冒険者登録をした
いったん浴場を出た一行は、さっぱりと着替えさせたヌルを連れてギルド出張所に行った。ギルド出張所は、どこの村にもあるわけではないが、大きい村や裕福な村には誘致されていることが多い。
そのギルド出張所は、冒険者用の宿屋を兼ねており、幸運なことに「青猫」も扱いがあった。そこにはあの赤髪の受付嬢によく似た女性がカウンターにいて、
「ようこそギルド出張所へ。どのギルドに御用ですか?」
と眼鏡を光らせながら言った。それに答えてミレイが、
「ギルド『青猫』だ。冒険者登録をしたい」
「かしこまりました。ではこちらの水晶でレベルを測定いたします。先に書類の記入をお願いいたします」
ミレイが書類にペンを走らせていると、ヌルがトトトッと走ってきて水晶球に手を置いた。
「あっ、こら、その水晶はオモチャじゃねーぞ! ⋯⋯って、ええ?!」
ヌルの手の下に、赤い文字で『レベル400』と浮かんでいた。受付嬢も驚いて、
「ま、魔法レベル400! 戦闘未経験でもAクラス冒険者になれるわよ? お嬢ちゃんも冒険者登録する?」
ヌルはこくりと頷いた。後ろで見ていたフレイラはショックを受けた。
「わ、私よりずっとレベル高い⋯⋯」
「まあ、何か普通の子じゃなかったってことね。いまパーティーメンバーにしても役に立っちゃうかもよ?」
「うう⋯」
アルテミシアの言葉に追い打ちをかけられて、フレイラはパーティーでの自分の存在意義に頭を抱えた。
ミレイが戦闘レベル測定不能だったことを自慢しに来ても、女たちはフレイラを励ますのに一生懸命で、誰も相手にしなかった。
結果としてはヌルはサーヤの二人目の弟子という体にすることになった。よくわかっているかは不明だが、ヌルは嬉しそうだった。
その日は無事に、ほろ馬車業者に会うことができ、「今はほろ馬車が貸し出し中だが、明日にはリルム村に馬車が戻ってくる」と聞いたので、一晩宿に泊まって待つことにした。




