表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令嬢転生したけど恋愛フラグはまっぴらゴメンです!  作者: 高倉麻耶
第一章 第一王子ローランド
37/54

第三十七話 フレイラは髪と瞳の色を変えた

 その夜フレイラたちはミレイの隠れ家に泊まり、冒険者として大金を稼いだらそのあとどんなことをしたいか、はしゃぎながら話し合った。それはフレイラにとって夢のような時間で、フレイラは思った。


(そうそう、この感じ! 仲間がいて、みんなで笑いあって、やりたいことを話し合う⋯最高!)


 そんなフレイラをアルテミシアは微笑みながら見守っていた。

 サーヤとミレイはことあるごとに勝負を始め、それはアルテミシアとルティシアの(たしな)めによって、おおかたジャンケンに変えられた。ミレイは自分がリーダーでないことを今まで経験したことがないらしく、いちいちサーヤにつっかかる。


 深夜になるとスコールのような大雨が降り、ミレイは裸になって水浴びをした。


「アタシはいつもこうしてんだ。気持ちいいよ。どうせここには精霊たちの魔力で、アタシが許可した奴以外誰も来られないから、みんな裸になっちゃいなよ」


 サーヤとアルテミシアは嬉しそうに服を脱ぎ始めた。ルティシアとフレイラは戸惑いながら。特にフレイラは、マスクをしていないことを気にしながら雨に打たれた。全裸で雨を浴びるのは、確かに気持ちよかったが、寒かった。家の中に戻ると、タオルでお互いの頭を拭きあった。家出をして以来初めてフレイラは声を出して笑い、無邪気な楽しい時間を過ごした。


 ミレイもサーヤもアルテミシアも、エルフというのは自分の認めた人間に対しての肩入れが強い、とフレイラは感じた。なんというか、家族のように接してくれる。それがフレイラには嬉しかった。


「フレイラちゃん、これ読んで」


 寝間着に着替えたフレイラに、アルテミシアは一枚の巻物を手渡した。


「これは、魔法書ですね。えっと⋯⋯」


 はっ、とフレイラは息を呑んだ。


「瞳の色と髪の色を変える魔法?!」

「そう、もう仮面をつけないほうが、自由に行動できると思って」

「あ⋯⋯ありがとうございます!!」


 フレイラは慎重に魔法書を読み、何度か頷いた。そして、目を閉じて自分にその魔法をかけてみた。


「どう、ですか⋯?」


 返事のかわりにアルテミシアは手鏡を見せた。そこには、茶色の髪に茶色の瞳をした、フレイラ自身が映っていた。


「もうその魔法、完全にマスターしたみたいね」

「はい! 本当にありがとうございます! 嬉しいです」


 フレイラは不意にアルテミシアに抱きしめられた。


「あ、アルテミシア⋯さん⋯⋯?」

「もうね、私、あなたが可愛くて。あなたは私の妹分よ。寿命は全然違うけど、大事に育てるつもり。私にできることはなんでもしてあげたいって思ってるの」


 フレイラは胸がじわりと温かくなるのを感じた。


「もう、十分すぎるほど助けていただいてます⋯私もサーヤ様とアルテミシアさんと、ずっと、一緒にいたいです。そして、いつか甘いものたっぷり食べて、お茶会しましょう」

「異世界のアフタヌーンティーっていうやつね。楽しみだわ」


 世話好きのアルテミシアのことが、フレイラはすっかり大好きになっていた。その夜二人は隣同士で、指をつなぎながら眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ