第二十話 フレイラは事情を話した
するとベッドに寝ていたはずのサーヤが、ムクッと体を起こした。
「何よ、面白そうじゃない。あたしも混ぜてよ」
「っ! 起きてたんですか?」
「途中からね、目は覚めてた」
「どのへんから⋯」
「詠唱なしで使えるって話のあたりかな」
フレイラは覚悟を決めた。
「サーヤ様、私は、あなたのことを師匠と呼ばせていただきたいです。お許しいただけますか?」
「あー、いいんじゃない?」
「では⋯」
フレイラは、サーヤとアルテミシアに、これまでの顛末を話した。自分は今は十七歳だが、レイア・ティアブレイドとして生まれる前の、別の二十数年の人生の記憶を持っていること、不幸なまま死んで、自分を不幸にした男たちを許せないため、王子との婚約を破棄したこと。そして、女だけのパーティーを組んで冒険者になりたいということ。
サーヤとアルテミシアは、口も挟まず、じっくりと聞いていた。そしてフレイラが語り終わると、まずアルテミシアがハグを求めてきた。
「大変だったのね、フレイラちゃん」
「いえ、そんな⋯⋯私は、幸運でしたよ。お二人に出会えて」
「そうね、もし私たちが悪党だったら、今頃は裸同然の無一文で放り出されている頃ね」
「前世では私にそんなことをした輩がいました」
「そいつ、許せないわあ」
「わかってもらえますか」
フレイラはこらえていた涙を、ポロポロと膝に落とした。そして子どものように泣き出した。
「よしよし」
アルテミシアはフレイラをハグし、子どもに対するように慰めた。
アルテミシアの心は魔法で読めないようにロックされている。だが、アルテミシアは敢えてそれを外した。すると、彼女の記憶がフレイラの中に流れ込んで来た。
「⋯⋯!」
触れそうなほどくっきりしたイメージで、フレイラの心のなかに幼い頃のアルテミシアがいた。




