第二話 レイアは誓った
晩餐会の会場を抜け出して全速力で必死に駆け抜け、レイアは宮殿の外にある自分の屋敷へとたどり着いた。
履いていたハイヒールは踵が折れ、既に投げ捨てており、裸足になった足は傷だらけだった。
「痛⋯」
レイアは小さくつぶやいたが、足の痛みなどもうどうでもよかった。
(許せない⋯絶対に許さないわ)
レイアはまた怒りに震えていた。
(男なんて、外道の生き物、絶対に愛さない! 愛してたまるもんか! 私はこの先、何があっても一生ひとりで、恋愛も結婚もせず生きていくんだ!)
彼女は心に誓った。夜空に光る小さな星の光に、祈りを捧げた。
(どうか私に、決して、どんな細かい恋愛フラグも立ちませんように。もしも何か恋愛になりそうな雰囲気があったら、全力でそれを叩き潰します)
一方その頃、解散となった晩餐会の会場で、王子は三人の令嬢に囲まれ、慰められていた。
「ローランド殿下、元気出して、ね⋯⋯」
「きっとレイアさんは今まで本性を隠していたのよ。あれが本当の彼女の姿だったのよ」
「そうよ、レイアさんのことは忘れて、きっとすぐに新しい恋が見つかるわ」
だが、王子の絶望的に暗い表情は変わらなかった。
「婚約破棄なんて、どうして⋯レイア⋯レイアじゃなきゃダメなんだ、僕は、レイアを心から愛している」
娘たちは顔を見合わせ、押し黙ってしまった。




