第十五話 フレイラはギルドに登録した
冒険者ギルドは、様々な男女でごった返していた。数人の鋭い視線が遠慮なくフレイラの方へ向けられた。フレイラは覚悟を決めて、受付のほうへ向かった。やたら胸の大きい、赤い髪の美女が言った。
「冒険者ギルド『青猫』へようこそ。何をお求めですか?」
フレイラは幾分興奮気味に震えながら、勇気を振り絞った。
「あ、あの⋯⋯冒険者登録って、ここでできますか?」
「できますよ、ギルドですから」
赤い髪の女はこともなげに言った。
「どうしたらいいですか? すみません、初めてなもので⋯」
「この書類にサインしてもらえば、ギルド証を発行します。まずはレベルを見るのでこの水晶玉の上に手をかざして」
言われるまま、フレイラは水晶玉の上に手をかざした。「40」と赤い数字が出た。
「魔法レベル40。まあまあね。パーティーは自分で探してください。あと、そこの壁に依頼クエストが貼り付けてあるから、やりたいのがあれば持ってきて」
「は⋯はい」
自分の魔法レベルを初めて知ったフレイラは、顔が火照るのを感じた。これまで一度も、レベルを測る機会など無かったのである。
「はい、これがギルド証。本来はGクラスからのスタートなんだけど、あなたはレベル高いからCクラス第1ランクからのスタートになります。経験値を稼ぐか、訓練すればレベルは上がるから。そうしたら、ここへ来れば次のランクに焼きかえをします。じゃ、頑張って」
自分の魔法レベルが割りあい高いのだと知って、フレイラは軽く興奮をおぼえた。
(独学だけど、魔法を学んでおいて良かったわ⋯! でも、冒険者になるなら師匠について、本格的に習ったほうがいいわね。きっと、基礎とかガタガタだと思うし)
「あの、もうひとつ良いですか?」
「何?」
「この辺りで一番の凄い魔導士って誰ですか? 弟子入りしたいんですけど」
「えっ⋯レベル40で弟子入りする必要があるの?」
「え、ダメでしょうか」
赤髪巨乳の受付嬢は快活に笑った。
「すごい向上心ね。感心するわ。いいわよ、紹介してあげる。そのかわり、エルフだけど我慢してよね」
(エルフ! この世界ってエルフがいたの⋯!?)
「サーヤ! この子、あんたに弟子入りしたいんだって!」
受付嬢が大声で呼ばわると、それまでざわついていた周囲の人々が一斉にシン⋯と静まりかえった。
フードを深くかぶり、カウンターで酒を飲んでいた人物が、ゆっくりと首をまわしてフレイラを見た。




