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血
思い出す度ぞっとする。
小学5年生のあなたは、よく学校帰りに友達と公園で遊んでいた。
その日もいつもの様に5時まで遊んで家に帰ると、親戚のヒデおじさんが来ていた。
「帰ったら手洗いうがいしなさいよ」
そんな母の言葉に適当に返事をし、おじさんにも軽く挨拶をして洗面所へ向かった。
あなたはヒデおじさんが苦手だった。いつも自分を見つけるとニヤニヤしながら近づいてきて、つまらない長話を始めるからだ。
うがいの水を吐いて鏡を見ると、後ろにおじさんが立っていた。
「 ちゃん」
あなたの下半身に手を伸ばし、スカートの裾を摘んで言った。
「これ、見て」
血がついていた。
「 ちゃんもしっかり女の子だねえ」
いつものニヤニヤ顔でそれだけ言うと部屋へ戻っていった。