表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋の歌(ショートショート集)  作者: 山田さとし
4/19

第4話 アルペジオ②

「ららら、らららん・・・」


※※※※※※※※※※※※※※※


アルペジオ。


ギターや。

ピアノを弾いている方なら。


お馴染みの手法です。


ストローク奏法と違う。

和音を一音一音、分散する。


あっ・・・。


ゴメンナサイ。

何回も同じことを。


貴方は音楽が好きですか?


僕は大好きです。

小説と同じくらい。


だから。

今宵も。


どうしても。

綴りたくなったのです。


一字、一字を。

丁寧に。


君の心に。

響けば、良いですね。


※※※※※※※※※※※※※※※


はじめに


先日した「アルペジオ」の続編です。

未読の方はこちらから、御読みいただくと嬉しいです。


※※※※※※※※※※※※※※※


第1話 寂しいですよ


「ふぅ・・・」

君のタメ息が漏れる。


アパートのドアに差し込むキーが。


上下が違って。

二度目でやっと、開きました。


真っ暗な室内。

外廊下の灯りを逆光に、君のシルエットが浮かんでいます。


今日は疲れた。


君の表情が。

そう、物語っています。


頑張ってるんだ。


何故か。

そんな風に思いました。


フッ・・・。


君が微笑んでます。

それは無邪気な笑顔ではなく。


とても。

複雑な笑み。


寒そうだ。

五月も終わりだというのに。


肩を震わせている。


≪フフッ・・相変わらずだね・・・≫


えっ・・・?

君があたりを見回している。


空耳かな?


ふと。

顔を上げる君。


僕を見つけて。

立ちすくんでいました。


※※※※※※※※※※※※※※※


第2話 薄闇の中


「・・・君?」

君の問いを聞きながら、僕の意識は薄れていきました。


「あれぇ・・・?」

フェイドアウトした君の呟きを耳に残して。


僕の意識は戻ったのでした。


目の前には。

白と黒の鍵盤の列。


ピアノの上にある額縁には。

君と僕の写真。


あの頃の。

幼い二人の笑顔。


何年も思い続けた。

僕の夢の世界。


そう。

そう、なのです。


私の大好きだった。

君が目の前にいるなんて。


あり得ないことなのだから。


その時。

あのメロディーが頭の中で鳴った。


僕が弾いた。

アルペジオ。


君が大好きと言ってくれた曲なのでした。


※※※※※※※※※※※※※※※


第3話 エピローグは余計じゃないよね?


「・・・うっ?」

窓から差す朝の光に僕は目を覚ました。


ピアノにもたれるように。

一晩中、弾いたまま眠ったらしい。


指にくすぐったい感触が残っている。


僕は広げた手をかざして。

見つめていた。


ららら、らららん・・・。


今もハッキリと感じる。

一緒に鍵盤を叩きながら、君が囁くように歌ったハミングが。


あっ・・・。


涙が。

頬を伝っている。


それが。

久しぶりに思い出せてくれた。


一番、幸せだった。

君との思い出の余韻だと。


アルペジオのメロディーと共に。


僕を。

優しく包んでくれたのでした。


※※※※※※※※※※※※※※※


第4話 素敵なエピローグ


「・・・君?」

君の戸惑う表情が、泳いだ瞳の光が僕に温もりをくれる。


「どうして・・・?」

近づく僕をジッと見つめ続けているなんて。


ああ・・・。


何て。

幸せなんだろう。


やっと。

探し当てたエピソードは。


今は。

長すぎて、余計だよね。


ずっと。

ずっと、思い続けていました。


だから。

僕に綴らせてください。


二人の。

素敵なエンディングの物語を。


※※※※※※※※※※※※※※※



あとがき


はい・・・。

すみましぇん。


またまた。

酔っぱらってます。


先日、投稿しました。

「アルペジオ」は。


酔いにまかせて。

即興でアップしました。


ワザとラストをあいまいにしたのですが。

多くの方に切ない余韻を与えたようで。


僕の気まぐれな投稿に。

御付き合いしてくれる方々には、本当に申し訳ないと思っております。


でも。

好きなんだなぁ・・・。


酔いの中で拾い出す。

「おもしろい」のかけらが。


思春期の頃の。

真夜中のラブレターのようで。(笑)


だから、今宵。

ハッピーエンドの物語を投稿したのです。


・・・が。


だめ?

ですかねぇ・・・。(笑)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ