交差する想い(十三)
六月二十二日(水)
今日は、せっかく私のためにクラリネットを吹いて下さったのに、
黙って帰ってしまいごめんなさい。
ちょっと昔を思い出して、お見せできない顔になっていました。
とても恥ずかしかったんです。本当にすいません。
クラリネットは、そうですね。
私の父は生きていて、しかもプロなのです。
だから、今の私の演奏とは、それは比較にならなくて、
同じ楽器とは思えない感じです。
むしろ、楽器に申し訳ないと思っています。
楽器だって、父に演奏された方が良いと、
思っているに違いないですからね。
父が喜んでくれるかなと思って
「中学になったらクラリネット吹こうかな」
て言ったら、思った以上に喜ばれて、
むしろ今は重荷になっている、今日この頃です。
なので、今日の間接キスの相手は父になります。
あらかじめご了承下さい。
でも、今日の演奏で、
クラリネットも色んな音が出せるんだと思って、
凄く勉強になりました。
もうちょっと上手になれるように、頑張ろうと思います。
何か元気が出てきました。ありがとうございます。
それと、鍵はちゃんとかかっていました。
ご心配かけてしまい、申し訳ありません。
私もドジなので人のこと言えないです。
あと、先輩の言われている「ドレミ病」は病気ではなく、
「相対音感」と言われる立派な能力です。
沢山音楽を聴いて、自分のものにしてきた人が獲得できるもので、
それで悩んでいるなんて、もったいないです。
怖がらずに合奏しましょう!
トランペットとクラリネットの合奏ってあまり知りませんが、
何かありましたら教えて下さい。
一緒に演奏しましょうね。




