4話 特訓in木星
合コンには行けません。
俺は今、木星にいます。
木星での修行は過酷なものだ。
まず、か〜なり寒い。
ー150℃以下らしい。
重力も地球と比べて大きくまともに動けるまで3日かかった。
もちろん酸素もない。
そしてこの惑星はガスと液体で構成されているため、着陸はできない。
なので師匠のような化け物スペックが現れるまで人類はこの星に訪れる事ができなかった。
俺は今、豚さんが作った実験用ダンジョンで暮らしている。
地球以外の惑星でダンジョンができた場合、どんな違いが現れるのかを知りたいそうだ。
俺の特訓メニューはこうだ。
朝夕:ダンジョンの外の過酷な環境で各種の筋トレ、素振り一万回、瞑想。
昼:ダンジョン内でモンスターを狩り食料を調達。
モンスターの肉を食べるとステータスが上がる。
世の中にはダンジョンに潜らず強いモンスターの肉を買ってステータスを上げてる金持ちも
いるらしい。
*
昼になったのでダンジョンに戻ってきた。
今日で5日目になるので少し深いところまで潜ってみようと思う。
早速【気配察知】が発動した。
どうやら10匹いるらしい。
やがてそれらが姿を現す。
銀色の狼たちの群れだった。
【鑑定】を発動すると、Ç級のシルバーウルフというモンスターらしい。
弱点は火属性なので、剣に炎魔法を纏わせて攻撃する。
「喰らえよワンちゃん共!!」
いくら群れてもÇランク程度なら瞬殺できる。
食料の調達は完了したが物足りないのでもうちょい探索することに決めた。
少し歩くと某国民的アニメに出てきそうな立派な扉が現れた。
これが俗に言うボス部屋だろうか。
「お邪魔しまーす」
律儀にも俺はそう言い扉を開ける。
入った瞬間異様なプレッシャーに襲われた。
学校の校庭並に広い部屋の中央に異形の巨人が仁王立ちしていた。
そいつは一つしか無い瞳で俺を睨む。
そいつの名前は【鑑定】するまでもない。
――サイクロプス。
俺よりも格上のSランクモンスターだ。