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なまこ②
「「では勝負だっ!!」」
不法侵入イケとニョロイケが声を揃える。
「「アッツアツの! コーンスープを! グビグビと飲む〜ぅ!!」
彼らが謎の七五調でゴキゲンなタイトルコールをした。
頭の中で謎のボイスが『説明っ!』と叫ぶ。
ニョロイケは私の片手を取ったまま散乱した荷物を触手で拾う。あ、ご丁寧にどうも。不法侵入イケは私の鞄を引ったくるように取ると、もう片手で私の手を取った。
二人のイケメンに手を取られ、私は部屋へと連行される。
あ、あれ? 不法侵入者増えてない?
彼らは手慣れた動きで部屋の戸棚から粉末スープを取り出すと、ティファールでマグカップに熱湯を注ぐ。
「ご主人、カウントダウンを」
「えっ」
「お願いします、ハニー」
「ハニーじゃないけど」
「「さあ!」」
「さ、さん……?」
彼らは表情をキリッとさせてでマグカップに向かった。
「に……いち……ぜろ!」
「ふーっ、ふーっ、ふーっ」
「ふーっ、ふーっ、ふーっ」
……何だコレ。