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すなが→まさき→なまこのリレー小説  作者: すなまがさきこ
10/13

すなが④

 

「ようやくわかってくれた!」


 ボンクラちゃんはそう言って涙ぐむ。

 しかし私の心を擬音で示すならば『スン……』であった。


 ──お前は何故イケメンなんぞになったんだ。


 飼い猫がイケメンになるなんて、癒しのもふもふが消えて代わりにヒモが増えるのと同義……ゴメン過ぎる。

 喜ぶ飼い主はおそらくいない。せめてスパダリレベルに有能でないと許されない案件だ。


 現に目の前の愛猫とおぼしきイケメンは、先程ちゅーるに飛び付いた挙句、それをペロペロしていた。

 猫なら可愛いのに、イケメンだと残念極まりない光景である。


 しかも私自体が会社に飼われる社畜生ときたもんだ。

 脱・畜生への道は厳しい。


 同情するなら金をくれ(プリーズマネー)

 愛されるよりも養われたい、マジで。


「なんでご主人はそんな目をするのッ?!」

「いや~、元・ボンクラちゃんは元・愛猫だけあって、元・ご主人の心の機微に敏感だなぁ~」

「『元』ってなに!?」


 すりすりしてくる元・ボンクラちゃんだが、今は所詮、ただのイケメンである。

 いや、ただのイケメンではない。

『猫まっしぐら』ならぬ『ヒモまっしぐら』のダメイケメンだ。


「貴様などお呼びでない! そうだろうハニー?!」

「にゃッ!!」


 擦り寄るダメイケメンをニョロイケの触手が(はた)く。


「フッ、そのモフみすら失った役立たずとは違い、私はスパダリだ。 現に貴女が落下した際、華麗に受け止めたのはこの私!!」


 確かにアレは助かった。

 仮に私がヒロインだとして、スパダリの定義が『ピンチのヒロインを華麗に救うイケメン』であるならば、スパダリと言えんことも無い。

 ニョロニョロはしているが。

 ニョロニョロはしているが。(※二回目)


「今もツマミを欲する貴女の為に、作っていたところ……料理もバッチリだ!!」

「ツマミを?!」


 なんか静かだと思ったら、その間は料理していたらしい。

 いつの間にかニョロイケはエプロンまでしている。ふりっふりの若奥様風のやつ。

 新婚気取りか。


「……あ、いい匂い」


 ニンニクのいい香りが鼻腔を擽り、食欲をそそられる。


「酒と相性バッチリのシャレオツなおツマミ……アヒージョだ! おあがりよ!!」


 そう言って出されたアヒージョは、とても美味しそうだった。

 だが……


「──コレ、材料なに?」


 タコ(っぽいもの)のアヒージョなのが気になるところ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ※二回目 一回目はスルーしてましたけど、これ「対句」ですね! つまり! これは拡張高き文学表現! よってこの作品は純文学!
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