表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼一族の歴史旅行  作者: 如月麗羅
縄文時代
3/15

3話 千文ちゃんと秋と冬

それから、うーん、何年経ったかな

ほら、縄文時代だし、当たり前だけど時計とかカレンダーとかないじゃん?春夏秋冬で1年経ったっていうのは分かるから、7才までは頑張って数えてきたんだけどねぇ。めんどくさくなっちゃいました!


そんな俺、文哉の、秋


久しぶりにスマホを手に取った。昔はいじりまくってたのに、縄文時代の生活が思ったより楽しくて、充実してて、ずっと触ってなかった。

そんなスマホで、写真をとる。

画面を見れば、そこにいるのは超絶イケメン、俺!って、そういうのじゃなくて、そこにいるのは、中学生くらいの男の子。

つまり俺は今、う~ん、、14才くらいってことで!決定!

ゆる~くいこうぜ、ゆる~く。



今日も俺は、キノコとか、ドングリとかの、秋の食べ物を採りにいく。

もっちろん、千文ちゃんと一緒にだ。

え?千文ちゃんとの関係がどうなったかだって?


え~?

それ聞く~?

聞いちゃう~?

えっとね~、俺と、千文ちゃんはね~、千文、ちゃんはねー、千文、ちゃんは………


そうだよ!お察しの通りですよ!

俺達の関係はなっんの変化もない!


くっ。

いくら外見が良くたって、しょせん中身は彼女いない歴=年齢以上の男だよ。正確な年齢は分かんないけどね!


いいし!別に今のままでも十分幸せ、、幸せ、、、しあわせ……た、確かに幸せではあるけど、やっぱり千文ちゃんと付き合いたいよ~!そーしそーあいになりたいよ~!

千文ちゃん、いつまで経っても俺を子供扱いなんだ!確かに、千文ちゃんの溢れ出る包容力に、いつもついつい甘えちゃうけどさ、それでも、それでも俺だって男なんだ!千文ちゃんとどうにかいい感じになりたいよ~~!




秋の食べ物たちを採った後、俺たちは村に戻ってきた。


今は、俺たちが採った食べ物を煮てます!縄文土器で、煮てます!

そう、縄文土器、縄文土器だよ~!

縄文時代っていえばやっぱ縄文土器だよね!!というか俺、縄文土器以外知らない。他になんかあるかな?

う~ん、、、あっ、貝塚、とか?


ま、それはおいといて。

見ろ!皆の衆!!

これが、俺と千文ちゃんの、愛の結晶だあぁぁーー!(←違う)

千文ちゃんの作った縄文土器で、俺の採ったドングリを煮たやつだ!


あー、うまいよー!


今はまだ、そう、まだっ、相思相愛じゃないけど、いつか絶対に好きになってもらって、この美味しい料理を毎日食べるんだーー!



◇◇◇◇



それから、また何年か経った。

今の俺は、高校生くらいだ。


みんな聞いてくれ、今冬なんだけど、めっちゃ寒い!

未来と違って温暖化進んでないから、めっちゃ寒いんだ。

けど、服とか家は意外と暖かい。火は必須だな!消えると地獄だ。

けどけど、雪が毎年降って、いつも雪だるま作ってる。それがすっごく楽しい!みんなに“なにこれー”って言われるけどね……。そうだよな。雪だるま知らない縄文人にとっては雪だるまなんてただの丸い雪2つだよな……。

でも毎年、千文ちゃんだけは一緒に雪だるま(謎の物体)を作ってくれるんだ!やっぱ千文ちゃんは優しいよなー。



と、そんなことを考えながら、現在俺は狩りをしてる。

吸血鬼って、ほんとに運動神経が良いんだよなぁ。すっかり慣れた狩りだから、違うことを考えながら出来ちゃう!普通は、獲物に集中し続けなきゃいけないんだけどね。やっぱ吸血鬼って楽だぁ。


へいへいイノシシさ~ん!あなたの命、美味しく食べさせていただきます!

ねぇねぇ知ってる!?マンモスって、縄文時代にはいないんだって、俺、縄文時代といえばマンモスだと思ってた。マンモスは、旧石器時代なんだって。縄文時代はイノシシとからしいよ。



そうして獲物を持って帰ってくれば、大好きな千文ちゃんが笑顔で待っていて、俺を褒めてくれる。

それがいつもすごく嬉しくて、最高の幸せ。

これから、何年経っても、いくつになっても、この生活が続いていくんだろうと。例え、千文ちゃんとの関係が変わっても、変わらなくても、こんな幸せな場面が、何回も訪れる。共に少しずつ()()しながら。


バカな俺は、そんな呑気なことを考えていた。

自分が吸血鬼である。それの意味を、理解せずに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ