ぼくのはるやすみ
みんなみんな大好き 32日ネタだよ。
そのまんまは不味いから、はるやすみにしてみたんだ!
※投稿された時期が時期だけに、少し不謹慎なオチと思われるかもしれません。
先に謝らせて頂きます。 不快に感じられた方がおられましたら、本当にごめんなさい。
遥かな未来。
そこで人類は、とてつもなく高い科学技術力を得ていた。
太陽系ひとつを丸々描写出来る技術。
その太陽系に存在する、ひとつひとつの星に住まう生物……いや、微生物まで描写出来る圧倒的な技術。
そしてあらゆる物理法則の再現と、人間並の知能・知性を持つAIをその惑星ひとつひとつに、100億配置しても稼働できる性能を持つ機械。
そんな、現代では到底無理な物が普及している未来に、こんな娯楽作品が存在した。
名前は【Earth Life Simulator】
名前の通り。 貯めに貯めた地球の情報をもとに、利用者が決めた年代の人間として生活を擬似体験してみようと言う、歴史の勉強を兼ねたソロプレイ用のフルダイブゲームである。
大体の者は目的通り、擬似体験ゲームとして当時の暮らしを楽しんでいた。
が、やりようによっては、時代逆行転生で未来技術をバンバン産み出す天才プレイも可能だ。
とあるプレイヤーは未来技術をこっそり戦うために使い、世界征服組織を造り上げ、悪の科学者として名を馳せるプレイをしてみせた。
これに影響を受けた誰かは、真似してやってみたところ実験体に逃げられ、その実験体に野望を阻止される結果になったとか。
そう言った開発目的とは違う遊び方も有り、このゲームは大いに盛り上がった。
そしてここに、それまでとは違う特殊なルートを見つけてしまった、プレイヤーを紹介する。
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このゲームを、ゲーム内時間にして早くも9年目。
小学生になっているボク君は現在、とある田舎のおじいちゃん家で寝込んでいた。
この日は3月31日。 学校は春休み中。
両親の都合で、3月いっぱいの約束でお世話になっていた。
だが、その最終日に生憎の体調不良。
まだ気温がそれほどでないにも関わらず、きれいな川で遊ぶ! とはしゃいだ結果だ。
それで、春休みの宿題としてつけている絵日記をなんとか済ませ、最終日を寝て過ごす悲しい事態になった。
翌日。 異変が起きた。
朝だからと起きて、食堂へ行ってみたら誰もいない。
1日寝た事もあって、なんとか持ち直した体調で家の中を探してみたが、やはり見つからない。
今日は帰る日。 荷物は昨日、寝込む前になんとかまとめた。 あとは迎えを待つだけだったはずなのだ。
その別れの日に、なぜ誰も居ない?
ボク君の焦りは募るばかり。
行動範囲を広げて、近所の家々や普段遊んでいる場所も見て回ったが、やはり人っ子一人いやしない。
ここまで来て機器の不調を疑いゲームメニューを呼び出すと、信じられないものが目に飛び込んできた。
【3月32日】
信じられない表示だ。
3月のカレンダーは31日まで。 だと言うのに、これはどうしたことか。
ボク君が実際に存在している未来では、ゲーム内AIが発生したバグを感知して、勝手に修正してくれるのだ。
そうならなかったと言う事は、これはゲームの仕様なのか?
ボク君自体は何も理解できなかったがこれは仕様だと信じ、家の中にある物で腹を満たしながら、大人しく次の日を待った。
運命の33日。 それは静かに始まった。
これまで通り、ボク君が朝に食堂へ向かうと、昨日居なかった全員が椅子に座っていた。
ごはんも並んでいた事に軽くホッとしつつ、ボク君も席へ。
このまま、月が変わらずに日数だけ過ぎていくバグが続くのだろうかと心配しつつ、朝が過ぎるものだと思っていたボク君に、信じられないニュースがテレビから飛び込んできた。
~19XX年。 世界は核の炎に包まれた~
ボク君の運命や、如何に。
ゲーム開発者からのイースターエッグ。
このバグを知った開発者が、感銘を受けてリスペクトした結果産まれた。
世紀末の長期休み中に32日バグをかますと、NPCのAIが攻撃的になって、終末戦争を始めちゃうんだ!
このゲームの仕様としてバグを用意出来ないから、こんな形で終わらない長期休みにしてみたよ!
これ以降、多くのNPCが野蛮になってヒャッハーし始めるから、頑張って生き抜いてね!
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書いて、予約投稿を15日にしようとして、日にちに引っ掛かりを覚えて、何に引っ掛かったか気付いてがく然。
やべーよやべーよ。 不謹慎ネタだよ……。
と結構本気で怯えたのですが、開き直りますごめんなさい。
他の作品を入れて、25日までずらしてみたけどごめんなさい。
過去の大切な日ではありますが、それを踏まえて、その大切な日であっても趣味の悪いおふざけとして苦笑して流して頂けますように。
戦争で不幸になる方なんて居ない方がいいのは当たり前の話。
NBC兵器ダメ、絶対。
その上で、どうかひとつお目こぼしを……。