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両国の対策

デイルもマルセウス王宮にて報告をしていた。

「ウズデロイド王国の魔術師は、我が国に比べ研究が進んでいると言わざるをえません。

特に魔具の種類も多く、数値にして結果を残すということもあります。

赤い花にも魔具を取り付け、調べておりました」

「魔具?」

アーノルドがデイルに確認する。

「赤い花に取り付け、魔力を感知させていたか?」

デイルの答えを待たずに、アーノルドが机を叩く。

「あいつだ!」

アーノルドは侍従や文官達を部屋から下げて、兄弟だけになる。


「兄上?」

ルティンが、理解できないと前に問いかける。


「ウズデロイドに感知の出来る魔具があるなら、魅了も感知したのかもしれない。

ミユウに魅了が効かなかったのではない、感知され解呪されたと考えるべきだ」

アーノルドが腹立ちげに声を荒げる。

狩猟小屋で見たカレンディアの様子が、それを物語っている。

「つまりは、自分に魅了をかけられていた、と気づかれたということですか?」

デイルの言葉でルティンも理解したらしく、ポツンと呟く。

「バレたら、怒るよな」

美優の現状が気になるルティンだ。

自由にさせていた分、不安になってしかたない。


「バレたらで済まされるか!

あの冷たい目、許せない」

ギリギリと(てのひら)に爪を立てて(こぶし)を握りしめるアーノルド。

「巫女を囲い込むために、お飾りの王太子妃にしようなど間違いだった」

パチン、と魔力に反応して部屋の灯りが揺れる。

アーノルドの怒りは、静かに燃える青い炎のようだ。冷たく見えるのに、激しく熱い。


「兄上、赤い花の報告に戻ってよいでしょうか?」

これほど感情をあらわにする兄も珍しい、とデイルは思う。

王太子のアーノルドは、冷静沈着というイメージなのだ。

「悪かった、続けてくれ」

そういう王太子がカレンディアのことを気にかけているのは一目瞭然である。

魅了という安心が無くなると、マルセウス王家の人間はこういうことになる。


文官達を呼び戻して報告が続く。

「種が開くのはいつになるかは分かりませんが、緊急であることは変わりません。

種が育ち始めてから、花の広がりが止まっているのは、ウズデロイド側でも同じようです」

「栄養を種にまわしているということか」

「はい、種ということは、現在の花自体が種で育ったという可能性があります」

その種はどこから来たのか?






「巫女殿の世界は、魔力も魔術もない世界だと聞きました。

この世界に来て、あの力を授かったと言われてました。

花の種も同じことが言えるのかもしれません」

ウズデロイド王宮では、ダーレスの報告に皆が驚いていた。

「あれが他の世界から来た為に、異形の力を持ったというのか?」

「元からある植物が突然変異したと、いうには急すぎます」

事務官や大臣達、魔術師、とそれぞれがお互いの立場で意見を交わす。

フランシスは頬杖をつきながら話を聞いている。


「マルセウス王国の第3王子と実験をしました。

こちらからは、魔具を花に繋ぎ、第3王子が魔力を花に流しました。

種に反応が見られましたが、花は成長が止まったままでした」

ダーレスが言うと感嘆の声があがる。

「それではまるで、種が付くと花が栄養を必要としない、枯れる前段階のようではないか」

「希望的観測でみれば、ありえます」

ダーレスが実験の結果のグラフを広げる。





「多分、ミユウしかあの花を駆逐できない」

デイルと同じ事を、ダーレスも報告していた。

「巫女殿の血のみが駆除剤となるであろう」


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