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女の子同盟

ワンは食事の後、ルティンの話をした。

ルティンは王家の魔術と言ったが、魅了のことに間違いないのだ。


「あの優しい殿下は、私の大事な思い出と思っていたのに、それさえ魔術での結果だったなんて」

カレンディアの表情は悲しいを通り越して苦しいほどだ。

「違うよ、カレンディア。

自分に反動があるのを知っていても、カレンディアに好きになって欲しかったんだよ」

美優は否定するが、カレンディアは否定する。

「そう思いたいのです。

でも、かまわなくとも裏切らない相手として、認識されていたことも間違いないと思うのです」


それは否定できない。

美優だって思っていたのだ。

神獣の巫女といいながら、旅に出ても、王宮を飛び出しても放置されているから大事にされていないと思っていた。

それは、魅了をかけてあるから、戻ってくると思われていたからだ。


対価を払っても魅了をかけたいと思ったのだろうが、結局は自分が好感を持つ相手をキープしただけのことだ。

「ああ、私バカみたい。

対価払う程、私を好きだったの、なんて思ってしまった」

ポカ、と美優が自分の頭を軽くたたく。

「ミユウ様、私もそう思いました。そして嬉しいとも思いました。

それと同時に、私が殿下を好きだった気持ちも、殿下の気持ちも魔術によるものでは、と不信になってしまったのです」

カレンディアは悲しい笑みを浮かべていた。


「ご主人、カレンディア。

ルティン殿下が打ち明けてくれたのは、対価を払っても必要な魔術だと言いたかったと思います」

ワンがルティンを庇うように言うから、美優に(にら)まれる。

「いえ、庇う感情とかは理解できないのです。状況を考慮すると、そういうことだと」


ワンの容姿は美優の大好きなアニメキャラと同じだ。

絶対にワンの方が好感を持てるのに、気になるのはルティンの方だ。

これが魅了による結果かもしれない、という事が腹立つ。

「あー、報復があの程度なんて終わらないから!」

ギャフン、と言わしたい。

「ミユウ様、私も気持ちがわかりますわ」

ギュッ、とカレンディアが美優の手を握る。


「絶対に謝らせてやる。

精神操作を、悪いと思ってないのよ」

あの3王子が、ごめんなさい、と床に手をついて謝っている姿を想像して、美優はニヤリと笑う。

いつの間にか、こっぴどく振るから、謝らせるに目的が変更になっている。

ルティンを拒否して振ったつもりだが、思う程の効果がなかったからだ。

泣いて謝らせてやる。

「カレンディア、やるわよ!」

「もちろんですわ」

美優は王家の魔術と思っているが、ルティンは執着の魔術と言ったのだ。



「でもデイルが言う通り、マルセウスとウズデロイド、両方で対処しないとあの花は死なないと思うの」

それには、カレンディアだけでなくワンも応える。

「ご主人、その通りです。

きっとウズデロイド王も思われていると思います。

自国で殲滅させても、国境を越えて繁殖されたら、元の木阿弥ですから」

「ミユウ様、ウズデロイドの魔術研究所の研究は進んでいるのでしょうか?」

「簡単にはいかないでしょうね、連絡がないし。

両方の国でバラバラに調査するのは無駄よね」

美優の血だけでなく、ワンの血もカレンディアの血も研究に提供したが思うようにいかなかった。

ワンもカレンディアも美優の血が混じっているが、効果がなかったのだ。




王太子の執務室に戻ったルティンは、魅了が効いてないことを確認した、と報告するしかなかった。

「巫女の血か、他の要因か」

アーノルドは自分が、再度狩猟小屋に向かうしかない、と思うのだ。

魅了が効いてないなら、自由になどさせるわけにいかない。

巫女の血が関係しているなら、カレンディアも巫女の血が取り込まれている。

婚約破棄で、巫女を殺そうとするほどアーノルドを思っていたカレンディア。

「デイルには、あの花を調べに行かせた。

当分、巫女達に接触しないように言ってある」

「それがいいでしょう。

デイルはまだ信用おけません」

アーノルドもルティンも、デイルが自分の待遇に不満を持っていることを知っている。

だれよりも魔力が大きい、それはデイルの矜持なのだ。

だが、王家の一員として、国を思う気持ちも知っている。



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