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拒絶反応

「生きておられます」

ワンが美優に安心するように告げる。

だって、あんなに苦しんだ後に動かなくなったんだよ、美優は不安げにワンを見る。

「生き延びた、だけです。

ご主人の血で、誰もが魔力を得るわけではないのです」


「己の魔力が巨大だったから、ミユウの血に対抗できたということか」

今度は、フランシスがワンに問いかける。

「わかりません、その可能性が高いと思いますが。

陛下の方がよくご存知でしょう?」

ワンには応えないで、フランシスは美優に説明する。


「偶然に永久凍土で見つけた古竜の遺体を研究する施設を作っていてね。

それは、君たちが壊した施設だ。

そこで研究が進むうちに、魔獣を作る方法を発見した。

古竜の肉を与えるという方法だ。

ほとんどは受付ず死んでしまう、拒絶反応というのだろう。

だが、低い確率だが生き延びる獣がいる。身体は大きくなり容貌も変わってしまう。

魔獣というものだ。

ミユウの血も同じではないかと思うのだ。古竜とは比べものにならない程の魔力の強さだが。

当然、拒絶反応をする方が多いだろうということだ。

ワンも、そちらの令嬢も適合者で運がよかったのだろう」


フランシスの話だと、不適合者は拒絶反応で死んでしまうというが、デイルが生きているのは、さっき言っていた己の魔力ということなのか、美優はフランシスの言葉から意味を考える。



「どにらにしても、ルティン王子にデイル王子を引き取りに来てもらった方がいいでしょう」

「私が連絡できます」

フランシスに答えたのはニナだ。


わかっていてもミユウは、下を向いてしまった。

ルティンとニナが連絡を取り合っている。

美優の側にいるカレンディアもフランシスも気がついているが、何も言わない。


ニナが魔術便を空に飛ばすと、まっすぐにルティンの元に向かう。

その間も、デイルの命が消えないようにワンは手を取って魔力をデイルに注いでいた。


「ミユウを傷つけた奴など、本来なら制裁を加えるべきだが、ミユウが望んでなさそうだから」

フランシスはそんな顔も出来るのか、と思うほど優しい表情を美優に向ける。

「フランシス」



ほどなくして、馬の蹄の音が聞こえ、ルティンが姿を現した。

「ミユウ」

ルティンは、部屋に入って来ると、フランシスに支えられている美優を見て眉を歪ます。


「ルティン、こちらだ」

ワンの声に振り向けば、床に倒れているデイルが目にはいる。

ニナの手紙で、美優が喉を斬られ、犯人はデイルと知っていたが、手紙は詳細までは書かれていず、追い立てられるように狩猟小山に来たのだった。


ルティンはデイルに駆け寄ると生きているのを確かめる。

「どうして、デイルがここに?」

ルティンは、ニナに手紙をもらって、やっと場所を知ったのだ。

「俺でも、お前の行動を感知出来るように魔術をかけるな」

ルティンの行動を把握して、デイルは場所を知ったのだろう、と言うフランシスは、美優に感知する魔術をかけているから、危険を知って駆けつけてこたのだった。

「そうか、それでミユウの魔力を狙ったんだな」

ルティンは、デイルの顔に手を当てる。


「デイルは、僕達兄弟の中では飛び抜けて魔力が多く、学問も剣術も優れていた。

もし、最初に生またのがデイルなら、良き王太子となったであろう。」





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