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マルセウス軍

ここも違った。

ルティンは、ワンが美優を連れて王宮を逃げ出した後、目撃情報をたどり、考えられる場所を探し歩いている。

もういくつもの街を回ったが、美優たちの姿を見つける事はかなわなかった。



一瞬、魔力を感じて空を見上げると、魔力で飛ばしている魔術便を見つけた。

それは、ルティンに向かい一直線に飛んで来た。ルティンが手を差し出すと、ふわりと手紙が現れる。

ニナからだとわかると、口元に笑みが浮かぶ。

ルティンが待っていたものだ。


ニナとは、美優を見つけて王都に連れて行く時から行動を供にした仲間で、連絡方法も教えてある。

今も美優と行動を共にしているニナ。

手紙を開くと、美優の所在地が書いてある。

ワンが狩猟小屋を改築して広げたことも、ウズデロイド王が来たことも、全てが報告されている。

ニナが軍人である限り、ルティンは上司になるのだ。


ルティンは手紙を読み終わると、美優たちが暮らす狩猟小屋に向かった。

王子が単独行動などあり得ないが、美優探索に関しては許されている。その方が隠密に行動できるのだ。

それは、どこかで美優を探しているデイルも同じである。

ルティンにしろ、デイルにしろ王族として大きい魔力と武力を有している、我が身を守る術を持っている。




一番近くの転移陣のある町に転移すると、そこからは馬である。


最初にルティンに気づいたのはワンだ。

「よくここがわかったな」

ルティンの前にたちはだかる。

「ずいぶん探したさ。ミユウの傷はどうなった?」

美優の傷を心配されると、ワンは折れざるを得ない。

「傷が塞がったのは王宮でみていたろう?」

「ああ、だがミユウの意識が戻る前に居なくなったからな」

美優の意識の確認をせずに連れだしたのは、ワンだ。

美優の血を狙われるのが、分かっていたからだが、ルティンは心配したのだろう。


ルティンが、それは?とワンが手に持つ物を聞いてくる。

「今夜の肉だ」

目の前にあるのは、野ウサギだ。美優が調理するのだろう。

旅をしていた時は、ルティンも食料調達に参加していたので、よくわかる。


「こっちだ」

ワンがルティンを狩猟小屋に案内する。

それは小屋という大きさではなく、改築されて1軒の家となっていた。

「女性がいるからな。1部屋の小屋というわけにはいかない」


ワンとルティンの声が聞こえたのだろう、中からニナが出て来た。

「殿下」


片手を挙げてルティンがニナに挨拶すると、ニナは敬礼をして上司に対面する。

その様子をみて、ワンはルティンがここをわかった訳を察したようだ。


小屋に入ると、カレンディアがルティンを椅子に案内し茶を出す。

「もっと隠れていれると思ったのに。フランシスだけでなくルティンにまで見つかるなんて」

溜息をつきながら、美優が前の椅子に座る。

「お茶を飲んだら、ワンが捕って来たウサギを調理するから、夕飯食べて行くでしょ?」

美優が確認するのに、ルティンも「いただこう」と応える。

女性ばかりの狩猟小屋に、男のルティンが泊まるとは言えない。

ワンは男性とカウントされていない。


ルティンはフランシスが描いた転移陣を見つけると、その近くに自分の転移陣を描き始めた。

これがあれば、狩猟小屋のある山中に泊まらないで帰れる。

さすがに王都までの転移は無理だが、近くの宿のある町までなら転移できる。



食事の席で、ルティンは気になっていたことを確認する。

「巫女の力は、ミユウの血にまじっているのか?」

オブラートで包んだような物言いでも、ミユウには伝わらない、とルティンは過去の経験で学んでいる。

ビクンと美優の肩が挙がるのを見て、これはさすがにわかる。


美優にすれば、

血肉を狙うように聞こえてしまい、警戒するのは仕方ない。




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