【閑話】アリスのお茶
幼少期の頃の話です。
エメラルド公爵邸の中庭にある温室。その中にテーブルと椅子を置いてアレンとアリスの2人きりのお茶会が開催されていた。
アレンが作ったフルーツがたっぷりと乗ったプリンにアレンが作ったフルーツサンド、フルーツヨーグルト。すべてアレンがアリスの為に作ったものだ。アレンはアリスの為なら労力を惜しまない。
「ふぁれんおいひいねー。(アレン、美味しいねー。)」
口いっぱいにサンドイッチを詰め込んだアリスが言う。
「アリス、ちゃんと飲み込んでから喋ってよ。」
アレンは笑いながらアリスの口周りについたクリームを取る。口いっぱいに頬張る姿は可愛いけど、貴族の令嬢としてその食べ方はどうだろうか。もちろん人前ではこんな食べ方はしないだろう、これはアレンの前だから気を許して素の状態で食べてくれるのだ。アレンとしては頑張って作ったものを美味しく食べてもらうのは嬉しいし、作り甲斐があるってものだ。まぁ、アリス以外の誰かだったらこんな気持ちにはなれないだろうが。
アリスは口の中に入っていたサンドイッチを飲み込むとまたサンドイッチを頬張ろうとした。
「アリスそんなに慌てて食べなくてもいいよ。」
「ムグゥ。」
残念、もう口に入れた後だった。それを飲み込んだ後にアリスは口を開いた。
「だって美味しいから、いっぱい食べちゃうよ。」
そう言って笑うが、口の周りにクリームが付いている。
「付いてるよ。」
そう言ってアリスの口周りのクリームを取る。
「あっ、そういえばアリスの好きそうなお茶があるんだ。」
そう言ってポットの中の茶葉を見せる。
「あっ!茶葉がお花なんだ〜、可愛い!」
そうだね、お花だってだけで女の子は好きだよね。そして紅茶をカップに注ぐ。注がれた紅茶にアリスは目を丸くした。
「青色だ!」
そう、このお茶色が青色なのだ。珍しい色にアリスは目を輝かせている。
「アリス、よく見ててね。」
そう言うと紅茶の中にレモンを入れる。すると色がどんどん紫色に変わっていった。
「すごーい!変わった!」
「まだ見ててね。」
そしてもっとレモンの汁を入れる。紅茶の色は紫色から濃いピンク色に変わった。
「まだ変わるの⁈すごいね!」
色が変わるのが終わるとアリスはカップを持って口に運んだ。紅茶を飲んだがすぐに顔をしかめた。
「酸っぱい……。」
レモン汁を大量に入れたから酸っぱいだろう。
「あはは。砂糖とかを入れて飲んだらいいよ。」
そう言って角砂糖が入った容器をアリスの方に渡す。
「もー!笑わないでよ。」
顔を膨らませながらアリスはカップにドボドボと角砂糖を五つ入れた。甘党だから仕方ないのかもしれないが入れすぎではないだろうか。
「はーっ、甘くなったーー!」
そう言ってアリスは嬉しそうに紅茶を飲み干す。この笑顔をずっと見ていたいと思った。




