6 チーと…
すみません。また続き
チーのずっと小さい頃
「誰かおらぬか?」
まだあちらと、完全には繋がってはいないようで画像は不鮮明だった。
「だあれ?」
しかし、返事が聞こえると霧が晴れるように、向こうの様子を映し出した。
そして、姿見サイズの鏡は返事をしたものを映し出した。
……はずだったが。
鏡に注目していたものたちは、声は聞こえど姿が見えない者を探そうとし、唖然とした。
どうりで見つからぬはずた。
声の主は小さい。
あまりにも小さすぎた。
鏡のいちばん下、やや左よりにちんまりと見える。
大人の手のひらほどのサイズの精霊。
肌は少しクリームがかったような柔らかい色。
うっすらとピンクにも見える金色の髪は、クセがあるようで少し縺れてくしゃくしゃになっている。
顔の半分あるんじゃないかと錯覚させる、その印象的な大きな目は薄いみずいろ。
今は好奇心のためかキラキラとかがやいて見える。
小さくとも、大人を模した姿であれば、サイズが小さいだけのよくある精霊の姿なのだか…。
体に比べて頭が大きく、手足が短く小さい見事な幼児体型だった。
「これは…」
「あかん、あかんやつや…」
向こうに聞こえないようにひそめた声は、そこに居るもの皆が思っていたことだった。
「あれ?あれれ~?」
応えがないせいで、言葉とともに頭が傾いていく。
「れれれ~?」
ますます傾く前にと、あわてて鏡の前の御大が返事をした。
「そこにいるのは、(小さな花)か?」
精霊たちは相手が名乗るまでは、その者の性をあらわす言葉で呼び掛ける。小さな精霊はまさに小さな花だ。
自分のことを言われたのがわかったのか、片手をあげ大きな声で返事をする。
「あい!」
「~~~~~」
かわいい仕草と返事に身悶えする者多数、声を出してはいけないと両手で口を覆っている者もいるが涙目だ。
「だあれ?」
こてんと今度は反対に頭を傾けて小さな精霊が問うのに、あわてて返事をする。
「銀嶺と言うじじいじゃ。」
銀嶺は万年雪を頂く、白銀の霊峰の主で精霊の中でもとりわけ御大と敬われる存在だ。
半ば煙たがり、親しみを込めてカゲでじじいと呼ぶものもいるが、「く」とか「そ」とかつけちゃったりして…、だが直接本人にじじいと言うものはいない。
何も知らない精霊にじじいと名乗って、小さいのがじじいと呼んだら!と周りがはらはら見守っていた。
「ん?ん?…ぎ?…じ?…じゃ?」
いっちょまえに腕を組み、首をかしげる?
「じ?じ?」
ああっ、そこにいくのか!あか~ん!
誰もが固唾を呑んだ。
「じ?じいじい?」
「あざとい」
小さな声だったが静かな室内に思いの外響く。
声の主はしまった、とあわてて口を塞ぐがスパーンと頭を叩かれ机に沈んだ。
幸いなことに、あ御大には聞こえていないようだった。
それどころじゃなかった。




