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はじめて投稿します。ちょっとした暇潰しにほっこりしてもらえたら、うれしいです。
トリさんは大人の両手ではみ出るくらいの大きさの鳥。
ぼくはトリさんに会ったころ、よくトリさんの背中に乗せてもらっていた。
トリさんの羽毛はみずいろ。
とってもやさしい色だ。
クルリンと巻いた羽が頭のてっぺんを飾っている。
ぼくはトリさんの背中に乗ると、まずトリさんの羽の手ざわりをかくにんする。
うん。
今日もすてきなさわりごこち。
これはトリさんに乗せてもらうときの、儀式だ。
トリさんの羽は雛鳥の羽毛のようにふんわりしている。
うんうん、とってもすてき。
ぼくが背中でさわさわしていると、トリさんが振り向く。
トリさんは真っくろでまんまるなおめめをしている。
うん、今日もふわふわだよ。
「チー、動いてもいいかい?」
トリさんはちょうぜつイケボだ。
ぼくはもう少し堪能したかったけど、イケボで催促されるとうなづくしかない。
ほんとに小さかったころ、そうやってトリさんに運んでもらっていた。
トリさんに乗れる大きさのぼくは人間ではない。
ちょっと大きくなった今でもまだ、ちいさい。
人間でいうと、赤ちゃんほど。
それも、やっと歩けるようになったばかりの赤ちゃんの大きさ。
あるていど育ってからはぴたりと成長が止まった。
これからぼくが大人まで成長することがあるのか、それともこのままなのかぼくにも誰にもわからない。
でも、ぼくもトリさんも気にしてないんだ。
ぼくはいわゆる精霊といわれる存在らしいから。
トリさんはトリさんで、ぼくはぼく。
「チー、歩いてもらってもいいかい?」
トリさんのちょうぜつイケボにうながされて、さわさわとトリさんの羽をかくにんしていたのを止め歩きだす。
今ではぼくがトリさんを頭に乗っけて運んでいる。




