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真っ白な世界 陰陽師side
僕は真っ白な世界にいた。
起きた時親も誰も誰もいないはずの無の空間。
なのに、真っ白な世界の中から闇が浮かび上がりナニカになって話しかけてきた。
「キサマ、キサマ我が友に似ているな。キサマ×××の子孫か?先祖返りか?」
「僕はおそらく先祖返りのほうだろう」
するとナニカは愛おしいモノを見るかのように見てこう言った。
「キサマ、いやこれからはキサマのことを主殿と呼ばせてもらおう。下界では従魔のことをこう呼ぶのだろ。主殿は契約の儀を知っておられるか?
今から行う儀は真・契約の儀をしてもらおう。
この儀式は古に失われた原初の言葉で『生まれる時は違っても、死ぬ時も違うかもしれない。
人の世は一瞬で夢見花(桜)のようなもので神の生きる時は終わりのない永遠なものだ。ただこの一日の交わりから、主殿と我が友になったのに変わりない。この契約は悔いないものか?」
僕は、次にこう答えたらしい。
「はい、この契約は土に帰る時まで永遠の契約だ。この契約に一片の悔いなし‼︎」
その選択が僕を一生縛るものだなんて思ってなかったんだ。
気がつくのはまだまだ先のことだ。