プロローグ ー隘路にー
初めて書きます。
学生なのでまだまだ幼い文章ですが
よろしくお願いします。
一切の物音を立てずにゆっくりと、息ができなくなっていく。何が起こっているのか
意識が遠のく、体が現実から引き剥がされる。
昔、海で足をつって溺れた事がある。苦しくて辛かった。
今も同じ様な気持ちだ。
でも、1つ確かに違うのは「悲しい」という事だった。
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上村 司は、ごくごく普通の高校生だった。
普通に小学校に行き、普通に中学校に行き、普通に高校に通うどこにでもいる学生だった。
地頭は少し良かったのか中学3年の秋あたりから受験を意識し、進学校に入学できた。
特にしたいことがあるわけでもなく、なりたいものもなく、惰性で日々を送っていた。
(今日はやけに人が少ないな…)
いつもの如く学校から駅に向かっているところだった。
いつもなら駅周辺には3〜4人はいるのだが、さっきから一向に人と会わない。
なんだか寂しかったので「黄昏に染まる町をたった1人歩いていくダンディーな男」的な設定を考えて勝手にウキウキしていた。
そんな時だった。
こっちを見ている少女を見たのは。
顔ははっきりと見えないが、悲しそうにしてることだけは伝わってきた。
つかさは一瞬戸惑った。
声をかけた方がいいのか。華麗にスルーでいいのか。
というかそもそも何故こっちを見ているのか。
そんなことを凄まじいスピードで考えていた。
そして決めた。
(うし、スルーで)
意気地なしだった。
だってそもそも知らないし。泣かせた覚えもないから俺には関係ないし。頭の中で必死に言い訳を並べながら彼女の横を通り過ぎようとした。
その時気付く。
「っっ......‼︎」
息が 出来ない
苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。
息も吸えない。声も出ない。頭が真っ白になっていく。
焦点が定まらない。苦しい。息も出ない。頭が定まらない。苦しい。声が真っ白になっていく。
「ありがとう」
泣きそうな声が、そう言った。