ストーカー≠好青年
※中盤近く、霧原が嫌な思いをします。
描写は軽いですが、内容的に大丈夫な方とそうでない方もいらっしゃると思うので、ご注意ください。
前々から、見られていると感じていた。
だが、堂々とその正体を知ることになるとは、霧原柚樹自身思ってもいなかった。
その日までは……。
*
(……いる──)
仕事終わり、いつものように霧原が帰り道を歩いていると、少し離れた所に誰かがいた。
最近、誰だか知らないが、霧原はストーカーに悩まされていた。
特に何をしてくるでもなく、ただただ通勤時や帰宅時に、少し離れた所から見られている……。
(いい加減飽きてくんねえかな、ストーカーさんよ……)
霧原は内心そう呟いて、溜め息を吐く。
それから、前方に見えてきたアパートを見つけて、あとちょっとだと霧原は気を緩める。
いつもアパートが見えてくると、そのストーカーは付いてくるのをやめて、物陰からひっそり覗くのだ。
霧原はちらりと後ろを確認する。
すると、いつもなら物陰からチラッと見えるか見えないかの位置にいるはずのストーカーが、ガッツリ後ろから付いてきていた。
(っ嘘だろ……?!)
霧原は驚きながらも前に視線を戻して、走り出す。
ストーカーも霧原の速さに合わせるように、走り出した。
(マジかよ、冗談だろ?! いつもと違うじゃねえか! それに──)
と霧原はさっき見たストーカーが、自分が思っていた性別と違っていたのに驚いた。
(男だし! ふざけんな! まだ女なら良かった! よくねえけど!)
自分の部屋の前に着くなり、霧原は急いで鍵を開けて中に入った。
チェーンをかけて、鍵を閉めようとした瞬間、ドアが勢いよく開かれ、ギンッとチェーンが目一杯伸びる。
「大丈夫ですか──?!」
「うわあああああ」
「大丈夫じゃないですね! 早くチェーンを外してください! 俺が護りますから!」
数センチ開いたドアから見えたのは、霧原よりも少し背が高く、一見爽やかな好青年だった。
だが、やっていることと言っていることが一致していないので、霧原は怖くなる。
「誰が外すか! ふざけんな! 手え離せストーカー!!」
「す、ストーカー?! 俺じゃないですよ! それより怪我とかしてないですか? 急に走り出すからどうしたのかと──」
といっこうにドアから手を離そうとしない青年に、霧原は怒りが湧いてくる。
「お前が付いてくるからだろうが! いつもは付いてこないくせに! 何なんだよ!!」
「俺だって今日が初めてですよ! 変な奴が柚樹さんを狙ってたから、今日は仕方なく……」
「それ自分のことだろ──! てか何で俺の名前知ってんだよ、怖えな!」
捲し立てる霧原に、青年はなるほどというような顔をしてから、説明しだした。
「えっとですね、何で俺が柚樹さんの名前を知ってるかっていうと、俺のバイト先に来た時……あ、バイト先っていうのはファミレスです。で、注文した品物を運んだ時、ちょうど柚樹さんが名前呼ばれてたのが聞こえて──」
「それで何で一客の名前覚えてんだよ、他にも居ただろ」
そう質問して、青年の答えに霧原は後悔した。
霧原の生活にはあまり縁のない話だったからだ。
「あ、俺ゲイなんですよ。小さい頃から同性が恋愛対象で──。それで、一目惚れしたからです。柚樹さんに」
「…………はい?」
青年は満面に笑みを浮かべ、霧原に告げる。
「だから、好きなんです。一目惚れなんです。それで、いつも通勤とか帰宅の時に、柚樹さんが店の前通るから見てたんですけど、何か毎回男の人が柚樹さんの後を一定の距離保って付いて行ってたから、俺心配で……って聞いてます?」
青年が霧原を見ると、霧原は聞こえていないのか、呆然としていた。
「柚樹さーん? おーい」
「……なら一層チェーン外せねえわ──自分の身が一番大事だからな!」
「あれ? 俺の話最後まで聞いてました……?」
「あ? お前がゲイのストーカーってことだろ? だからチェーンは外さねえ」
伝わってない……と青年は少し悲しくなりながら、霧原に言う。
「大丈夫ですよ、俺嫌がってる人を無理矢理とかないんで──とりあえず、明日からバイト終わったら柚樹さんアパートまで送るんで、安心してください」
「安心できるか!」
「そうだ、まだ名前言ってませんでしたね、俺の名前は多野奏二です。じゃ、また明日──」
と青年、多野は霧原の言葉をスルーして言うと、やっと手を離して去っていった。
霧原は勢いよくドアを閉めて、鍵を掛ける。
「……何だったんだ、今のは……」
今さっきあったことを反芻して、霧原は静かに頭を抱えるのだった。
*
次の日。
霧原は家に向かって歩いていた。
多野がバイトをしていると言っていたファミレスを通りすぎたが、多野は出てこなかった。
(昨日あんなこと言っといていねえじゃねぇか──まあ、別にいいけど)
霧原がそんなこと思いながら歩いていると、急に肩を叩かれた。
「柚樹さん発見!」
「ぬあっ──?!」
思わず変な声が出て、霧原は多野を睨む。
「……おいストーカー、ストーカーは本人にバレたらアウトだぞ、わかってんのか」
「俺ストーカーじゃないですし、多野ですから──そうだ、多野くんって呼んでください。奏二でもいいな」
霧原の言葉に否定してから、多野はにこりと笑って提案する。
「俺今大学二年なんで、きっと柚樹さんより年下だから。くん付けで呼んでもらいたい」
「誰が呼ぶか──てか……大学二年って、二十一とかか?」
と霧原は少し考えてから訊く。
多野は「いや」と軽く手を振り答えた。
「浪人してるので、二十二です。柚樹さんはいくつなんですか?」
「へえ──俺は二十七」
と霧原は簡単に答えてから、多野に指摘する。
「……あのさ、お前普通に俺の名前呼んでるけど、せめて苗字にしろよ。仲良いわけでもないのに名前で呼ばれるの、俺嫌なんだよな」
「……そうでしたか。じゃあ霧原さんって呼びます。それで、仲良くなったら柚樹さんって呼びますね」
と多野は諦める気はないらしく、笑顔で頷いた。
それから良いことを思い付いたというように、ぽんと手を叩いて言う。
「霧原さん、恋人を前提に付き合いましょう。まずは友だちからで」
「いや、無理だろ、俺好きなの女だし」
と霧原は「無理無理」と手を顔の前で振る。
「男と付き合うとか、ないし」
「じゃあ最初で最後の男になりますよ、俺が」
どんと胸を叩いて見せる多野に、霧原は若干引いた。
「俺、上手いですよ!」
「聞きたくないわ! 余計友だちになれねえよ」
あまりにも霧原が引くので、多野は焦って取り消す。
「今の無しで! 友だちでいいです! すいません!」
「……保留で」
「ええ……、まぁ、でも、はい。考えてくれるだけで十分です──」
少し残念そうな顔で笑った多野に、霧原は若干戸惑いながら、言葉を探した。
「……その、なんだ、俺にはよくわからんけど、まぁ、頑張れ?」
「っはは、はい。まずは霧原さんと友だちになれるように頑張ります」
嬉しそうに笑う多野に、霧原は少しほっとする。
気がつけばもうアパートが近く、多野はゆっくり足を止めた。
「じゃ、俺はここで見てますんで」
「ストーカーに見送られるのも、何か変だな」
「だからストーカーじゃないですから」
「どうだか──」
霧原は苦笑いして、多野に見送られながら部屋に向かった。
「……さて、こっちに忠告しないとな」
霧原を見送り、多野は振り返ってから一点を目指して歩いていく。
そして物陰に隠れていた人物に、多野は声をかけた。
「あの、ちょっと──」
「キミはいいよねえ、楽しそうに話して、色んな表情を間近で見られて……」
物陰から出てきた男は、にひひひと笑うと、多野が何か言おうとしたのを遮り、一人ブツブツと言葉を溢す。
「キミが話していいなら、おれだって話していいよなぁ、もっと近くでさぁ、色んな表情見てえなぁ、準備が出来たらおれも行こうかなぁ」
そう一人言って、ニヤァ……と笑うと、その男は歩いていった。
多野はあまりにも男の様子が異様だったので、動くことが出来なかった。
「……俺が、護らなきゃ……」
多野は去っていく男を見ながら、一人呟いた……。
*
それから数日。多野は欠かさず霧原をアパートまで見送った。
最近あの男も見かけなくなっていたので、多野は安心する。
「……もう諦めたのか?」
「どうした?」
思ったことが口から出ていたのか、隣を歩く霧原が、不思議そうな顔で多野を見た。
「いえ、何でもないです。ただ、霧原さんのストーカーをもう見かけなくなったんで、諦めたのかなと」
「はあ? 元々ストーカーはお前なんだから、他にいねえだろ」
と霧原は「何言ってんだ」と怪訝そうな顔をする。
多野は「俺じゃないですって」と答えながら、いないならそれに越したことはないけど、と微笑んだ。
「何笑ってんだよ」
「いえ、何でもないんで、気にしないでください──」
多野は微笑んだまま、霧原を見送った。
*
「……なんだコレ」
翌日。霧原は出勤しようとして、出てすぐの所に紙が置いてあるのに気がついた。
「『今日会いに行くね』……?」
それを手に取り、少し達筆で書かれた文字を読み、霧原は首を傾げる。
「……誰だ? 部屋間違えたのか? まぁ、いいか──」
霧原はそれを折り畳んで鞄にしまうと、鍵をかけてアパートを後にした。
その日の帰り、いつもファミレスを通りすぎて、少ししてから声をかけてくる多野が、今日はまだ来ていない。
「……遅いな。まぁ、別に困んねえけど──」
霧原はそうぼやいて、アパートへ一人向かう。
そしてアパートに着き、鍵を開けて中に入ろうとした時、奴はやってきた。
「……今日も疲れた──」
「会いに来たよお」
「は……?」
振り返った時には遅く、霧原はドンと押され、玄関に尻餅をついた。
「った……!」
「おれの手紙、読んでくれたあ?」
「手紙……?」
体制を整えながら、霧原は今朝見た紙を思い出す。
「あれ……お前だったのか?」
「そおだよぉ、ずっとこうして話してみたかったんだあ、へへへ」
ビニール袋を片手に持った男はにやにやと笑いながら、霧原に近づいていく。
霧原は後退りながら、男の出方を窺う。
見た目、男はぽったりとしたお腹で、横に広い。力もあるだろう。
(体でかいから、力では敵いか……。でも鍵は閉められてないから、隙を付けば逃げられる……)
霧原がどうするかと思考を巡らせていると、男はガサガサとビニール袋を漁って、縄を取り出した。
「っ……?」
「あったあった──」
男はビニール袋を放ると、縄の強度を確かめるように、両手で引っ張る。
「うん、しっかり確かめた甲斐があったぁ。頑丈そうだぁ」
パンパンと数回縄を引っ張った後、男は縄を両手で広げ、霧原に向かって突進した。
「なっ──?!」
突然の動きに驚きながらも、霧原はギリギリ避ける。
「っあ──」
だが、隅に重ねておいた雑誌に足をとられ、こけてしまった。
「いっ……た……ひっ!?」
痛みを堪えながら男の方を見ると、男は縄を広げて霧原を見下ろしていた。
ニヤニヤと、いやらしい笑みを浮かべながら……。
「へへへ……それでね、ずっとこうして話をするのが夢だったんだよぉ」
「……そうかよ──」
それから霧原は男に捕まり、後ろで両手を縛られ、足首も縛られ、動きを封じられていた。
その間、男は嬉々とした表情で語ってきた。
霧原をずっと見送っていたこと、なんで霧原を付けるようになったか、霧原と今こうして話していることがどれほど嬉しいのか……。
霧原にとってはどれもどうでもよかった。
(……クソッ、アイツ何してんだよ──)
ただただ、自分がストーカーだと思っていた多野が来ないことに、イラついていた。
そして、何で自分がこんな目に遭わないといけないのか、それにも霧原は腹が立っていた。
「そうだ、ずっとキミにしたかったことがあったんだ」
「……?」
男はポンと手を叩くと、ニコニコしながら自分のズボンに手をかけた。
「お……おい、何すんだよ」
「えへへ、あ、その前に──」
男はカチャカチャとベルトを外していた手を止め、すっと霧原の前に屈む。
それからそっと霧原のスーツに手を伸ばすと、ネクタイを外し始めた。
「おいっ! てめえっ、何して──っ」
「静かにしないと、その口に突っ込んじゃうかもしれないから、静かにしててよぉ。乱暴にはしたくないからさぁ」
若干息を荒くし始めた男は、自分の股を見てから「……ね?」と霧原に圧をかける。
霧原は生唾を飲み込み、男のそこを見ないよう目をキツく閉じ、顔を背けた。
それから、ワイシャツのボタンが外されていくのを、背筋に悪寒が走るのと同時に感じた……。
*
「多野くんごめんねー、洗い物手伝ってもらっちゃって……」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それじゃ、すいません、お先に失礼します──」
多野は店長に頭を下げ、急いで更衣室に向かった。
いつも霧原を送る時間から、一時間近く遅れている。
(もうアパートに着いちゃってるよなぁ──)
多野は制服を脱ぎ、リュックに詰め込む。
そしてリュックを肩にかけて、更衣室を出た。
「お先でーす」
「お疲れ様ー」
バイト仲間や先輩に声をかけながら、多野は店の裏から出る。
ここから霧原のアパートまでは、約十分くらいだ。
(一応見に行こう。何もなかったら帰ればいいや──)
多野は軽く走りながら、霧原のアパートに向かった。
*
(珍しい……電気点いてない──コンビニでも行ってるのかな)
普段見送ると、霧原が部屋に入って少しして電気が点くのだが、今日は点いていなかった。
「……?」
近づくと、何やら中から声が聞こえた。
話し声の気もするが、一方的に話しているような声の気もする。
「霧原さーん?」
インターホンを押して声をかけると、中から叫ぶような、多野を呼ぶ霧原の声が聞こえた。
「ストーカーっ!!」
「霧原さん──?!」
思わずドアを開けて中に入ると、霧原が悲痛な顔をして多野を見ていた。
両手は後ろに縛られ、足も縛られている。
なぜかワイシャツは前が開いていて、腹部が白い液体で汚れていた。
「……っお前!!」
靴を脱ぐのも忘れ、部屋に入るなり多野は男に掴みかかった。
「霧原さんに何したっ!!」
「何もしてないよぉ、ちょっとお腹に出させてもらっただけだしぃ」
「出させてもらった……って──」
霧原に視線を向けると、霧原は気まずそうに顔を反らした。
その意味を理解したのか、多野は目付きを鋭くして凄む。
「お前──っ」
「大丈夫だよぉ、顔にはしてないからぁ。もちろん、体に触ってないしぃ、口だって借りてないよぉ、ね? 大丈夫でしょぉ」
ヘラヘラと笑う男が許せなくて、多野は思いっきり顔を一発殴った。
「ぐぶっ──」
「そういう、問題じゃないだろうが! ……っ、霧原さんを──っ」
多野は怒りが収まらないのか、もう一発いれようと右手で拳を作った時、霧原が静かに口を開いた。
「やめてくれ……」
「霧原さん……っ」
「俺の前から早く消してくれ、二度と見たくない……」
「っ……はい」
顔色が悪い霧原を見て、多野は男を引っ張って外に出す。
「……次はないからな」
「大丈夫だよぁ、もう来ないからぁ、満足したしぃ──」
反省の色が全く見えない男に余計腹が立ったが、ここで殴っても霧原が喜ぶ訳でもないので、ぐっと堪えて多野は部屋に戻った。
一応鍵を掛けて、急いで霧原の元に向かう。
「すぐほどきますね──」
「…………」
縄をほどくと、霧原は静かに立ち上がり、多野に言った。
「……シャワー浴びてくる。悪いけど、片しといて──」
そう言い残して、霧原は浴室に向かっていった。
残された多野は、言われた通り少し荒れている部屋を片し始める。
放られたビニール袋を手に取り、崩れた雑誌を直し、落ちているネクタイを手に取った。
「……何してんだ、俺は──」
ネクタイをぎゅっと握り締め、多野は呟く。
間に合わなかった事や、嫌な思いをさせてしまった、という後悔。
自分の無力さに、多野は歯を食い縛った……。
少しして、部屋着に着替えた霧原が姿を見せた。さっきより顔色は良い。
「部屋、片しときました。さっきのはゴミに出しときました」
「……ありがとな」
「いえ……──すいませんでした」
と多野は深く頭を下げる。
「俺のせいで……」
「謝るのは、こっちだ。お前がストーカーだって疑って、結局違って。それでこんな目に遭って……自業自得だよ」
と霧原は苦笑いした。
それからぽつぽつと、言葉を溢す。
「風呂入ってさ、体洗って、綺麗にしたはずなのに、何か、まだ残ってる気がするんだよな……。気持ち悪い──初めて、同性を怖いと思った。こんな……」
泣き出しそうに顔を歪めた霧原を、多野は優しく包み込んだ。
腕の中の霧原は、微かに震えていて、余計に多野を辛くさせる。
「……ごめんなさい、霧原さん、護れなくてごめんなさい──」
「不思議だ」
「はい……?」
と多野は少し離れて霧原を見る。
霧原は少し笑って言った。
「お前に抱き締められると、何か安心する……」
「霧原さん……。それは俺の愛が、でかいからですよ」
「はっ。かもな……」
そう小さく笑って、霧原はそっと多野に体を預ける。
多野も、そっと霧原を包み込んだ。
霧原が落ち着いてから、多野は訊いた。
「警察とか、連絡しときますか?」
「いや、いい。大事にしたくないし、男が男のストーカーから危ない目に遭ったって言うのも……なぁ」
と霧原は苦い顔をする。
「それに、アイツもう来ないって言ってたんだろ?」
「そうですけど……」
と多野が口ごもると、霧原はふっと笑って言った。
「これからもちゃんと、どっかの誰かが見送りしてくれんだろ?」
「え……?」
「なんだ、してくんねえのか。これからはもっと厳重な見送りしてくれんのかと思ってたんだけど」
と霧原が言うと、多野はぱっと笑顔になって頷いた。
「俺でよければ、これからもお見送りさせてもらいます」
「じゃあ、よろしく、多野──」
霧原がぽそりと名前を言うと、多野はもっと笑顔を輝かせた。
「はい! 柚樹さん!」
「ちゃっかり名前呼んでんじゃねえ──ストーカーじゃなかったし、これからもストーカーって呼ぶのは失礼だろ。だからだ」
「それでも良いです! あの、俺、友だちにはなれましたか……?」
と多野が訊くと、霧原は少し考えてから小さく頷いた。
「あぁ──。普通の友だちより、ちょっと格上のな」
「やった──じゃあ俺と付き合ってください」
「それとこれとは話が違うだろうが。調子乗んな──」
いつものように言葉が返ってきて、多野はほっとした。
「でも、まぁ、よろしくな……」
「はい。こちらこそ……!」
霧原の中で、ストーカーから友だちになった。
いつかは友だちから恋人に、そうなりたいと思いながら、多野は霧原に微笑むのだった──
多野「霧原さん、付き合いましょう」
霧原「冗談抜かせ」
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