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「君を殺せるのなら僕はもう死んでも構わない。君はどうだろう。応じてくれるだろうか」

「いいわ。なら私にもあなたを殺させて」

「殺し合いをするのかい」

「ええ。だからそれまでは共に生きましょう。出来れば天寿を全うするまで」

「それはなんとも気の長い話だ」

(@OdaibOt 君を殺せるのなら僕はもう死んでも構わない)



世界と自分は繋がっていない。車外に放り出されたような、星座に成り損ねた屑星のような、群れからはぐれたアシカの子供のような、そんな心細さと孤独の中で綱渡りして生きている。皆が平気で歩いて行く道が、私には見えないのだ。



君が絶望の淵に立っている。私はそれを見ていただけだ。なのに君は私を見詰め続けている。ああもう、煩いなぁ。

...分かったよ。私はいつだって君のヒーローだったから。これからもヒーローでいることにするよ。君もそのつもりで私に縋ってくれるんだよね?


共依存的関係性は文章上だと美しい。

(深海。さん(@sinkai_001)のイラストにss)



「ねぇ」

「なに」

「...なんでもない」

「そう」

「...」

「なぁ」

「...なに?」

「なんでもねぇ」

「...そう」


二人の間に漂うのは沈黙と紫煙。

静寂を破る静かな嗚咽。


「涙も落ちれば只の雫。流したけりゃ流すがいいさ。誰の目にも入らないうちに」

「...うん」

(新堂守さん(@tokinemana)のイラストにss)



暗い密室、冷えた体。私はぶるりと震えた。

「寒いね」

あなたは動かない。眠ってしまったのだろうか。

触れようとした指先は宙を彷徨った後、渋々と諦めた。

雨は当分止みそうにない。私は膝を抱え込んで耳を澄ます。

「ねぇ、寒いよ、起きてよ」

不規則な雨音が私を責めているような気がした。

(@feel_odaibot 触れない指先、止まない雨音)



#書き合いっこ (第1回 お題 プレゼント)

人生最初のプレゼント。そんなもの要らなかったと嘆くのを見ていた。どうして。あなたなんて。吐かれた暴言が胸の真ん中を貫いた。噴き出したのは血ではない。出愛多量の致命傷は笑顔を奪い涙を奪った。それでも生きねばならない。生きろ。歯を食い縛り立ち上がれ。孤独に刃向かえ。



#書き合いっこ (第2回 お題 いちご)

貴方は勇敢な冒険者。目指すは天辺、赤の魔物。真白な雪崩に注意せよ。美しい雪化粧の真実は柔らかな春の大地。貴方はその感触に戸惑いながらも幸福だ。油断禁物。色彩豊かな砲弾も貴方の行く手を阻むだろう。やはり雪崩は避けられず真っ逆さまに赤、撃墜。嗚呼、なんと甘美な征服だ。



「知ってるかィ」ヒトデさん。「俺は昔上の方にいたんだぜ」上の方に?「そうさ、ずっとずーッと上の方さ」それがどうして海の底?「落っこちたのさ」上から。「そうだ、ひューッとな」何故?「なんでだったかなァ、何か目的があったんだが」戻りたい?「いンや」ヒトデはからりと笑った。

(@odai_mzekaki 海に落ちた流れ星)



「あら、初めまして」

君はいつもそう微笑む。僕のことなど忘れてしまったのだ。でもそれで良いのかも。思い出したらもう会えない。君は壊れてしまうのだから。

「初めまして、綺麗な人」

君の焼け爛れた頬を撫で、手を握る。君は静かに涙する。僕を残忍な気持ちにさせる君は殺したいほど愛おしい。

(@odai_mzekaki 思い出したら もう会えない)



願ったんだ。翼が欲しいと。あの人に手を差し伸べるための翼が欲しいと。

なのに神様。あなたは本当に残酷だ。

わたしはただあの人の力になりたかっただけなのに。


醜イ化ケ物ナンテ君ノ眼ニ写ル訳ガナイジャナイカ。


せめて最後に一目。

「何処に行っていたんだい」

ああ、何故、あなたは。

(深海。さん(@sinkai_001)のイラストにss)

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