61〜70
「ねぇ君は泣かないのかな」
「俺は悪魔だから泣かないぜ」
「じゃあ眼球は干からびるのかな」
「それは知らなぇな」
「ならわたしに確認させてよ」
「どうやって」
「こうやってさ」
俺が最後に目にしたのは彼女は悪魔のような笑顔だった。
(@OdaibOt 涙しない悪魔の眼球は干からびるか)
◆
「君となど出会わなければ良かった」
「君は結局僕のことを好きではなかったんだ」
「僕のことを馬鹿にしているのだろう」
「君はどうせすぐに忘れてしまう」
「酷い人だ」
「だから言ったでしょう」
私は本心を隠して笑った。
あなたを幸せにしてあげられるのはあなた自身だったのに。
(@feel_odaibot だから言ったでしょう(しあわせなんてあげられない))
◆
さようなら。もう何も望まない。それに君からの要望に応えることもない。背伸びしてハイヒールを履くこともないし肌が荒れるばかりの化粧もしなくていい。急に呼び出されること置いて帰られたりもしない。万々歳。電話帳から君の名前を消そうとして、止まった。声だけでも、と思う日が来るのだろうか。
(@feel_odaibot 声だけでも、と思う日が来るのだろうか)
◆
マフラーを巻き直してやる。死神のような君は有難うと消え入りそうな声で呟いた。親しくすると死んでしまうなんて噂を立てられている陰気な君は、雨でもないのに傘を差している。
「入れてよ」
私は無理矢理傘の中に入る。止められたけど知るもんか。これで私も死ぬのかしら。
君のせいなら本望だ。
(@OdaibOt マフラー、死神、傘の中)
◆
#twnovel ちりちりと灼ける。胸の奥が訴える。熱さに似ているような痛みがじわりじわりと広がり心を蝕み、脳味噌をジャックする。これは罪だ。そして罰だ。逃げ出し生き延びたことへの戒めだ。それでもまだ...。この手に残された武器はペン一本。なら何処までも足掻いてやろうじゃないか。
◆
#twnovel 吐き出す。吐き出す。静かに。際限なく。ただただ吐き出す。やがて嗚咽は煌めきを纏い、宙を舞う。それはまるで星のように、柔らかい日差しのように、はたまた湯気のように。掴めない。けれども手を伸ばす。大切に大切に抱き締める。これだ。これが私の『ことのは』なのだ。
◆
ほら。嘘であればと願ったくせに、いざ「嘘だよ!」って出て行ったら腰を抜かしてる。なによ。文句あるの?って不貞腐れたら、あいつ、震えながら言ったの。お前足があるじゃん!って。当たり前でしょ?幽霊だって足ぐらいあるわよ!漫画の読みすぎだっつーの!それよりもっと突っ込み所あるでしょう?
(@odai_bot00 嘘であればと願ったくせに)
◆
世界を全て敵視していた君が消えた。それは墜落か、解放か。遺影とは反対に、君の最期の顔は安らかで、まるで世界を全て許したかのようだった。ぼくは君を奪ったこの世界を少しだけ羨む。だってぼくでは君を変えることなど出来なかったのだから。どうか次は生きることを許される世界でありますように。
(@odai_bot00 次は生きることを許される世界でありますように)
◆
#twnvday 私にはないものを彼女は持っていた。大空を自由に舞う翼だ。私は羨んで憎んだ。想像の中では彼女の翼を何度も何度も捥ぎ取った。どうしてこんなことを。彼女は嘆く。さぁ何故だろう。私の方が訊きたかった。空っぽの脳味噌を揺らして考えた。そうか。私は彼女になりたかったのだ。
◆
「今なら完全犯罪、出来ますよ先輩」
そう言って僕に馬乗りになりながら笑った彼女の首に手をかける。汗が伝った。
「ほら、ここ、脈ですよ」
確かにこれは彼女の生きてる証だ。ぐっ、と力を込めてみる。
「ふふふ」
柔らかなショートヘアが頭上で揺れた。
(@OdaibOt 密室、先輩、ショートヘア)