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421〜430

#twnovel 「アイス買ってきて。バニラ味。そんで黒蜜も忘れないでね」はいはい、あんたはいつも我が儘放題だったよね。姉としてはそんな弟に従うなんて腹立たしいものだけど、でも今はそんな欲求にすら涙を浮かべてしまう。余命幾ばくもない彼の望みを叶えたくても彼はもう何も食べられない。

(キャスお題 黒みつ)



#twnovel しなやかなからだが欲しかった。憧れたのはあの不思議な斑模様。チーターのように早い足も、虎のような力強さも持てない私はジャガーになりたかった。あなたのことを仕留める為に。願って叶ってしまった今、手に入れたこの爪と牙であなたの首筋を掴んで噛んで二度と離さないわ。

(キャスお題 ジャガー)



#twnovel もう、何時間経った?独壇場。オンステージ。喉を潰すまで歌うぞー、なんて張り切る君とは裏腹にオレは早々に飽きてしまった。ふと音楽が止み不思議に思っていると、携帯を弄るオレの頬をつつきながら君が首を傾げる。…つまんなかった?いや、君が楽しそうなのを見るだけで満足さ。

(キャスお題 カラオケ)



#twnovel あおいせかい。ぷかぷかと。しゃらしゃらと。涼しさが私を包み込む。まるっと、包まれてしまう。水流が巡る。ぐるぐる。魚が渦を作る。美しい光が揺れる。ゆらゆら。きらきら。私が泣いてもきっと誰も気が付かない。気付いたりしない。だから、せめて、今だけは。美しさに甘えよう。

(キャスお題 水族館)



#twnovel もう、敬語なんてやめてよ。君が照れ臭そうに僕の口を塞ぐ。無理ですよ。僕は君の手を握って離さないようにする。だって僕はあなたの奴隷ですよ?奴隷だなんて、そんなこと言わないでよ。寂しげな微笑み。だって事実でしょう?僕は歩み寄らない。超えてはならない線がここにはある。

(キャスお題 敬語)



#twnovel 毎夜毎夜ぼくたちは集まって宴を繰り広げる。楽しく笑えたらそれで良かった。現実世界からの逃避。電子世界への旅立ちは静かで緩やかな自殺への第一歩。脳味噌を殺していく。こころを締め上げていく。何もかも忘れて。騒げ。謳歌せよ。ここにはあなたの敵はいない。いないんだ。

(キャスお題 電子世界)



#twnovel 祈りを捧げなさい。神はあなたの懺悔を全て受け止めてくれるでしょう。胡散臭い言葉と光に塗れた世界よさようなら。私はそんなものに惑わされたりしない。でも今は囚われの身。無慈悲な拷問にそっと零す涙はとうに枯れ果てた。いつか教会のあの分厚い扉をぶち破る誰かを待っている。

(キャスお題 教会)



#twnovel 死ねばいい。全員、漏れなく、一人残らず、誰も彼も、死ねばいい。呪詛は自分へ雪崩込む。死んでしまえ。お前のことなんか誰も待っていない。望んでいない。興味もない。死ね死ね死ね。ああ。その通りだよ。


「そんなこと言わないで」


世界が色付く。君の涙が色を付けていく。

(キャスお題 「そんなこと言わないで」)



#twnovel 逞しい人が好みだった。どれもこれも物足りない。私の王子様は一体何処にいるの?

ある日噂を訊いた。何でもゴリラみたいな先輩がいるらしい。そして、見つけた。私は探していた。あなたみたいな相手。ゴリラ先輩。私は、あなたが。

逞しい人が好みだった。あなたに出遭うまでは。

(キャスお題 ゴリラ)



#twnovel 先生の眼鏡が反射して奥にあるはずの瞳が少しも見えない。「先生。私の臓器はどうなりますか」眼鏡の中央を指で持ち上げ、先生は首を振る。「お願いします先生。使ってください。隅から隅まで。私を遺さないで」諦めの溜息はファンファーレ。先生の爪が私の胸を抉じ開け始めた。

(@OdaibOt 眼鏡、臓器、ファンファーレ)

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