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411〜420

#twnovel お話を読んで、と恐る恐る近付いた小さな手を取る。優しく誘って毛布で包む。聴かせてあげましょう、あなたの今までと私達のこれからを。優しい夢に出会えるように、柔らかな愛があなたを暖めてくれるように。流れ星に乗っかって夜は消えていく。静かな時間の終わり、悲しくないよ。



#twnovel バケモノの癖に。そう言って石を投げた人を思い出した。そうだ、僕はバケモノだった。どうしようもないその事実をどうして忘れていたんだろう。幾ら化けるのが上手くても、立派な人間のフリをしても、本質なんて変わりはしない。醜い牙を剥いて、誰かを呪うしかない生き物の癖に。



掻き鳴らすギターと急かすようなドラムの音が僕の足を先へ先へと追いやっていく。熱の籠る世界から早く、早く、一刻も早く逃げ出さなければ。お願いだから邪魔なんかしないでくれよ。群衆の腕が、脚が、僕を阻む。君の背中が遠くなってしまう。早く、早く、まだ、何も伝えてないんだ。好きすら、まだ、

(#この曲でss書こうぜはやく来いよ)



#twnovel 夢を見ているようだった。ふわふわ、もちもち、時々チョコチップ。甘くて、でも爽やかなミントが駆け巡る口内を空にするのが惜しくて堪らない。もう一口、もう一口。餌を求める育ち盛りの雛のように私はあの味を求めている。夏の終わりと共に消えてしまったあの味を今も求めている。

(もちとろチョコミント)



#twnovel 一本目は大胆に。二本目は繊細に。ガリガリガリ。ぽりぽりぽり。口の中に刺さる棘はとてつもなく甘くて、その痛みすらも愛おしくなってしまう。ガリガリガリ。ぽりぽりぽり。不協和音は高く低く。この素晴らしいメロディーを聴いてくれていたあなたは、もう、いないというのに。

(さつまりこ)




#twnovel 花いちもんめで売り飛ばされるような安っぽさも、売れ残っていく屈辱も、あんなに痛いほど学んできたというのに、まだ足りないとでも云うのですか?あなたが齎した苦しみも、あの子が残してった憎しみも、全部砂場のお山に埋めましょう。相談されるような器量良しになれるまで。



#twnovel 君の背中に追い付いた。ねぇ、見て。私、やっと大人になったの。あなたに相応しくなれたかな。そればっかり気にしていたの。やっと会えたねとわらいたいのに、涙ばかりが止まらない、だって、あなたはもう、帰らぬ人だから。追い付いたのに追い越してしまう。あなたの背中も、歳も。

(@OdaibOt やっと会えたねとわらいたいのに、涙ばかりが止まらない、)



#twnovel ハニーミルクっていう香りなんだって。キスしてしまいそうなほどに近すぎる君が突き出した手の甲。ドギマギしながら手を取って香りを嗅ぐ。甘さに頭がクラクラと揺らぐ。どう、いい匂いでしょ?と自慢気な君が愛おしい。ああ、本当に。ふふふ、という微笑みに瞼のシャッターを切る。

(キャスお題 ハンドクリーム)



#twnovel まだまだ暑い日が続いている。今日まで、明日まで、来週まで。いつまで?暑い暑い暑い。秋は溶けて消えてしまったようだった。冬の寒さが恋しい。早く季節が過ぎないかな。そんな願いのせいなのか、明け方の寒さが極まっていて飛び起きた。やはり十月の夜に扇風機は良くないようだ。

(キャスお題 10月の扇風機)



#twnovel 痛む体にならば湿布を貼ればいい。痛み止めを飲んで、布団に入って、深く深く眠ってしまえばいい。なら、心には?湿布を貼ろうとしても届くはずもなく、痛み止めなんて効きやしない。特効薬は一つだけ。あなたの腕の中だけ。なのに、それさえも失った今、どうやって生きればいいの?

(キャスお題 湿布)

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