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171〜180

#twnovel 涎を垂らして懇願する姿の醜さを嘲笑うあなたが恨めしい。助けて。愛して。あなたの手から零される雀の涙程の卑しさを床に這いつくばって舐め取る自分が口惜しい。いつから私はこんなにも惨めな生き物になったのか。あなたが目の前に現れたからだ。あなたが私に悦びを与えたからだ。



#twnovel 未だ見ぬあなたを想っている。私はもうこんな老人になってしまったけど、あなたはきっと若い時のまま。初めて開いた瞳が私を捉え瞬時に回路が煌めいて。『私』という人間の為に残りの短い時間を共にしてくれるはずだ。待ち遠しいけれど恐ろしい。私はまたあなたに溺れるだろうから。


#twnovel 過ごした時間はたったの2週間。彼は何かの役に立てたのだろうかと考える。勿論生活という面では何よりも役立ったことだろう。けれど彼女の旅立ちを思えば思うほど彼は回路を拗らせた。彼女が彼に与えた心の欠片は彼を苦しめる。なぜ、と呟く。こんな悲しみ知りたくなかった、と。


#twnovel 小高い丘を越えた先の、木々に囲まれた木漏れ日の中眠る墓一つ。寄り添う機械人形、錆と蔦塗れ。その手に握るは己の胸から取り出した心の臓とも言える塊。彼は自らの意志と手で魂を掴んで抜き取った。あの痛みを忘れたくて。あの微笑みを消したくて。彼は機械であることを放棄した。



#twnovel 僕の心がブリキならこんなにじくじくと傷むこともちくちくと痛むことも、誰かの温もりに焦がれることも優しさを乞うことも、汚い猫の骸に胸をざわめかせることも何処かのお風呂の香りに脳味噌を揺さぶられることもなく、きっと平和に、けれどもつまらない毎日を過ごせたはずなんだ。



#たとえばこんな世界の終わり


深淵。暗澹。空虚に彷徨う。何を探してここまで来たのか忘れたまま君の手を握り締めて。握っていたはずのそれはいつの間にやら水に融けた。待って。置いて、逝かないで。僕の叫びは響かない。それでも潰れた喉を震わせた。君へ届けと願って。こんな世界、滅べばいい。



#twnvday 僕は目の前のこのスイッチを押したくて押したくて堪らない衝動と闘っている。それは何故だか君の背中から出ていた。君の寝息は規則正しく、まるで時計のよう。...まさか。震える指が、押した。変化はない。何だ。安心して眠った僕の隣で、君が瞳を開いていたことを僕は知らない。

(ツイノベの日 お題『スイッチ』)



#twnovel 雪に閉ざされた王国に生まれた美しい赤ん坊。未来を憂うは魔法の鏡。暗雲立ち込めるその行く先を誰が知っているだろうか。願わくばせめて、いずれ彼女が口にする魅惑の赤い果実が毒に塗れていないことを。嫉妬に狂った女など登場せず、甘いキャラメルをかけたアップルパイを彼女に。

(リオさんといろりんさんのキャスから

お題『キャラメル』『林檎』『冬』)



#twnovel

「風邪引いたんだって?馬鹿だねェ」

「うるせぇ」

「差し入れ、要らないのかい?」

「...いる」

「ふふ。じゃあとりあえず薬飲みな」

「...にがい」

「文句言わない。ほら、水」

「その、ありがとな」

「いいえー。早く元気になってあのカフェで紅茶を飲もうや」

(金魚草へのお題は『風邪』と『水』と『紅茶』のどれかを使って作品を創ってください

#3単語お題ったー

https://t.co/pJOaAnvujr)



#twnovel 君の為なら何でも出来ると彼は言った。好きな花を山ほどあげよう。とか。虎の口に頭を突っ込んでみようか。とか。彼は私の為に道化になる。そんなこと望んでいないのに。あなたがいればそれでいいのに。だけど私は黙ってそれを眺めている。私の心を攫って。私の為に死んでみせて。

(いろリオへのお題は『虎』と『芸人』と『花』のどれかを使って作品を創ってください https://t.co/D0IebPD4CK)

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