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161〜170

(#泣くという言葉を使わないで泣いている様子を表現してみる)

あなたの声が涸れてゆくのを、ただ隣に寄り添って眺めていた。目頭が熱くなったのはきっと気のせいだろう。



#twnovel それはナイフだと知っていたはずだった。誰かを傷付けるくらいならその刃を自分に向けておこうと思っていた。喉元に突き立てたナイフ。傷口から溢れた言葉は誰かに突き刺さる。止まらない止まらない止まらない。誰か、助けて。私のこの腕を、血塗れの腕を押さえ付けて。許さないで。



#twnovel

「暑いね」「暑い」

投げ出した足。滴る汗と溶けたかき氷。シロップの甘い香りが鼻をくすぐる。

「...で?」「ん?」「とぼけないでよ」

プラスチックスプーンを噛みながら空を仰ぐ。

「...仕方ないじゃん」

「...知ってる、けど」

僕らは子供で、世界は広いから。

(キャスで即興ss お題『かき氷』)



#twnovel 心の扉が開かれた。折れた鍵が噎び泣く。その愛に怯えて震えてる。

優しくなんてしないでよ。縋って泣いて格好悪い。そんな私を見ないでよ。それでもあなたの微笑みが瞼に刺さって痛いから、あなたの心の隅でもいい、そこに居たいと願わせて。鍵を壊した責任を。私の人生と一緒に。

(キャスで即興ss お題『折れた鍵』)



#twnovel 錆び付いた野生を取り戻せ。牙を剥いて心を研いで、奴等を惑わす一撃を。お前の手のそれは下らない世界に見初められてしまった。今更だと嘆くなら今すぐ飛び出せ退屈から。脳髄から吹き出したアドレナリンを瓶詰めに、手首から流れた紅を振り翳す。心の臓を預けて荒野を駆け抜けろ。

(キャスで即興ss お題『錆び』)



#twnovel 私の両目から流れ出すように咲いた黄色の花が咲くまでのカウントダウン。それまではきっとあなたも私の傍にいてくれる。早く咲いて。早く忘れて。あなたの涙で枯れることが出来るなら、私はきっとそれで満足するから。あなたの記憶に巣食う私を丸ごと飲み込んで叶わぬ恋に蓋をする。

(金魚草さんは

両目に黄色い

鮮やかな花がはえています。

その花が咲いたとき、

貴方は全ての人々の記憶から消えるでしょう

愛する人の涙を浴びると枯れるでしょう

花言葉は叶わぬ恋

#貴方に咲いた花

https://t.co/Ok3w0scG5k)



#石に這う華 静寂と暗闇。誰も僕達には触れてこない、僕達だけの楽園で。耳元にそっと囁き声。秘密のおしゃべり止まらない。君には僕の、僕には君の声だけが聞こえる空虚の中、その他の音は吸い込まれるようで。僕達の雫で咲いた花を摘んで逃避行。残るは白色、何もない。僕達の存在の跡すらもない。

(無頼骨さん(@buraibone)の企画

#石に這う華【第一回】

不躾な話し声さえ吸い込んで花を攫えば白色のあと)



#旧仮字文 上気したその瑞々しい頰の産毛を見詰められる程の近さにゐられる至福を嚼み締めてゐるわたくしの想ひ等貴女に傳はる譯もないので在りませう、唯唯その美しい涙を數へ慰め、貴女から零れた嗚咽に歡喜するわたくしに氣付かないで頂けますか。差し上げたこの桃を貴女の掌から食したいのです。

(旧・仮名/字体文章企画(@9kjSS)

第0回お題「桃」投稿作品 #旧仮字文)


#twnovel 上気したその瑞々しい頬の産毛を見詰められる程の近さにいられる至福を噛み締めている私の想いなど貴女に伝わる訳もないのでありましょう、只ただその美しい涙を数え慰め、貴女から零れた嗚咽に歓喜する私に気付かないで頂けますか。差し上げたこの桃を貴女の掌から食したいのです。



#ヘキライ あなたの微笑みがわたしの木漏れ日だった。日常がどれほど荒れ果てていようとも、心がどれほど沈みきっていようとも、それがわたしを癒す力は紛れもなく本物で。だから。今度はわたしがあなたを癒す。わたしがあなたの木漏れ日で居られるように。一生一緒に木漏れ日、探してくれませんか。

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