第四話『学校』
更新遅れてしまい申し訳ありません。理由は後書きにて。作中に登場する、学校名・建造物・人物名は架空の存在です。ここで改めて注意させていただきます。
終点で電車を降り、人が多すぎて前も見えない駅を歩く。小さめな身長の俺にとって、慣れない駅でこの状況は大変困る。天井近くの案内板を頼りに、西口に向かう。それにしても、これから毎日これが続くなんて想像したくない。暖かくなってきたのもあり、人ゴミの中だと汗が出てくる。暑い。ムサい。前が見えん!
西口の階段を昇り、地下を出ると、思わず手をかざしたくなるような快晴が待っていた。時刻は8時45分。日が大分昇り始めたのだろうか?空を見ると一面、青、青、青、時たま眩しい。
―――ってか待て。うん待て。遅刻じゃね?!
駅からだいたい徒歩10分。校門を入って、教室を調べて辿り着くのに10分。・・・うん、7分の遅刻だね。9時からだよね。遅刻だよね。
―――真面目君が初日に遅刻するか!!
俺は学級委員になる夢を守るために、全力で走った。
私立青雲大学付属高等学校。関東6大学に名を連ねる、青雲大の付属高校。創立者は、呉西太吉という、大正時代に名を馳せた有名な政治家だ。具体的に何をしたか等は後々説明しよう。
とにかく、この青雲大付属は、歴史が長いだけに何度も増築・改築を繰り返しているので、とにかくでかくて綺麗だ。校舎は2つあり、体育館・グラウンドも2つ。更に講堂・食堂。つまり、建物が6つとしかもグラウンドが2つあり、それらが収まる程の敷地を持っているのだ。ここは大学ですか?!どんだけ金持ってんだこの学校。
3年前に男子校から男女共学になったこともあり、ただでさえ人気があったのに俺が受験した年では、倍率8倍を叩きだした。
ちなみに、今年の入学者は総勢700人。男子・女子共に350人ずつ。これまた高校ではなかなか見られない数字だろう。
さて、今俺は中庭にいる。この学校は、正門から入って右側に新校舎。左側に旧校舎。その中間地点に中庭が設置されている。桜が両端にあり、春には咲き乱れ、とても美しいはずだが今は既に緑が豊かになっている。その足元には色とりどりの花が並ぶ花壇。花壇の前には多数のベンチが並んでいる。そして、それらの中央に噴水。
アホなのかこの学校の経営者?こんな景色、中々見られる場所はない。どう考えても学校で見られる場所じゃないはずだ。
とにかく、俺は噴水の前に入学者のクラスを割り出した紙が張り出された掲示板を見ているのだ。走ったせいで乱れた七三を整えながら。
―――ぎ・・・ギリ間に合ったぁ・・・
そう、俺は最低ランクの運動神経をフルに活性化させ(?!)、現時刻8時50分にここにいる。
クラスを確認すると、1-N。ちなみに1年は50人ずつクラス分けされて全部で14クラスある。
生徒の教室は新校舎にある。
旧校舎には特別教室しかないらしいので、俺もまだよく把握していない。新校舎は、1階から6階まで生徒の教室。7階は教務員室・シャワールーム・保健室・宿直用の宿泊室。地下3階にわたって、図書館となっている。うん、おかしな部分いっぱいあるが、後にしよう。遅刻してしまう。俺は高層ビルみたいな新校舎の2階にある、我がクラスへと向かった。
教室の引き戸を開けると、既に49人の生徒が耳を塞ぎたくなる程の声で騒いでいた。
待て。待て待て待て。ここは偏差値70の真面目君のためだけのような学校ですよね?見渡すかぎり、ギャル・ギャル男・ギャル・ギャル男・稀にヤンキー。化け物の巣窟にしか見えないんですが?
教室は空調設備が素晴らしく完備されてる上に、床暖房までついているし、ノートパソコンが机に一人一個ずつ設置してある。この時点ですっごい突っ込みたくなってくるが、それどこじゃない。
―――俺、学校間違えた?
どう考えても全員偏差値足りてないでしょ?落ちこぼれ校じゃねぇのここ?
頭の中でてんぱってると、教室内の生徒が俺に気付いた様で、怪訝な顔をし始めた。
「なにあいつ?」
「あんなの未だにいるんだぁ?キモくね?!」
時代遅れはお前だろマンバ。
「ってかあの七三半端ねぇんだけど!」
そうだろ?半端なく真面目そうでカッコイイだろ?お前とは仲良くなれそうだなギャル男。
「やべぇ。殺してぇあいつ」
そこのB-BOY!俺お前になにもしてないですけど?!
「はい、全員席着いて」
後ろから声が聞こえて振り替えると、スキンへッド・眉無し・吊り目の黒スーツを纏った男が。
・・・こいつ担任?!誰のSPですかあなた?!
俺の真面目ライフの夢が崩壊していく音が聞こえた様な気がした・・・
笑う要素が多いこの小説でこの様な報告をさせていただくのは誠に不本意ですが、更新が遅れた理由を告げるため、あえて書かせていただきます。友人が亡くなりました。交通事故で即死でした。明るく、誰にでも態度を変えることなく接しられる、強く器の大きい人でした。彼の御冥福をここで祈らせていただきます。