グランタニア王国
グランタニア王国。人口は3億人と世界的に見てけっして大国であるとは言えないが、この国特産の絹織物と世界有数の軍事力によって国際情勢において重要な位置づけにある国である。
また現国王のブレントフォード3世エリック=フォン=グランタニアは類稀な才覚とその人望により多くの改革をなし、王国始まって以来の繁栄を見せるこの国の大黒柱として「救国の英雄王」と呼ばれその名を全世界に轟かせていた。
階級制度のある国々では今でこそ貴族、平民のあからさまな差別は少なくなってきたもののそのような差別問題においてブレントフォード3世はいち早く目をつけ改革に至り、考えに賛同しない貴族の爵位を取り上げるなど厳格な姿勢を貫いた。
その結果長年続いた貴族、平民間のいがみ合いはほとんどなくなり活躍次第では平民であろうと爵位を与えられたり養子に迎えられたりしていた。ここにいち早く目をつけたことによって才能ある人材の育成が進められ軍事、内政が良くなっていったことは言うまでもないことだろう。
しかしそんな国であっても影の部分は存在する。王都ロベールのある一角には貧民街がある。貧民街にはその日その日を生き抜くために必死な人々が集まり、それが王都の総人口の約1割を占めていた。国も援助は進めているもののこれ以上の減少はなかなか望めるものではなかった。