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ある男子高校生の物語
まず初めに言っておこうと思う。
この物語は真田美月という少年の、一年間の出来事を淡々と書き連なったものである。
空から女の子が降ってくることもないし、ましてや腐の海に侵された世界観なんていうのもまるでない。
普通も普通。これといって目立った特徴もない彼の、高校生活最後の一年間。
だけども彼にとっては不思議であった一年間。
この物語を語り終える頃、きっとあなたは思うだろう。
一体彼は何者なのであろう、と。
では物語を語り始めるにあたって、形式美に伴いこう書かせて頂くとしよう。
今から一年程前になるだろうか、あるところに一人の平凡な高校生がおりました。