陸
それからわたしは頑張って勉強したんだ。
家では口うるさい親に嫌気がさし、学校でも友達とうわべだけの関係に話を合わせる。
これがわたし?
小さいころは、もっと無邪気に笑えたはず。
自分が自分でなくなっていってるの?
わたしである意味が消えていってるの?
そんな現実逃避で始めたメル友募集。
そこであなたに出会えた。
もうわたしらしく笑えるよ。
わたしらしさが戻ってきたんだよ。
そして……
待ちに待った合格通知がきたの。
わたし、合格したんだよ!
同じ大学に行けるんだよ!
一番に、伝えたかったのに。
最後のメールをしてから三日間、連絡がなくなって…
わたしの心は日に日にしぼんでいく。
心から空気がもれていく。
また、一人になる。
何もしたくない。
何も食べたくない。
眠れない。
また、わたしである意味が消えていきそう…
あなたは元気なの?
何かあったなら言って。
もし好きなひとできたのなら、辛い。
でもちゃんと言って欲しい。
あなたと繋がらない今のままはもっと辛いから。
これで最後だから、お願いだから。
神様にお願いしながら、携帯をかけた。
いつもの呼び出し音。
が、ふと止まった。
あなたが言ったように神様はやっぱりいたんだね。
やっと。やっと、つながった。
つながった携帯の向こうにあなたがいるんだ。
嬉しすぎて声がでない。
声の代わりに、涙が溢れてきて止まらなかった。