拾参
終章を再開します。よかったら読んでください。
玄関のチャイムが鳴った。
出てみるとそこには、みおちゃんが立っていた。
以前とは別人だった。
「お久しぶりです。って驚きました?」
「そりゃ驚いたよ。久しぶりだし、イメージもぜんぜん変わってるし」
彼女はかすかに笑みを浮かべて、
「女の子ってメイクで別人になるんですよー。わたしずっと自分に自信なかったんです。だから、ツケマしてカラコンして、メイクばっちりでないとなんか出歩けなかったんですよ。今日はノーメイク!」
たしかに前に会ったときの顔と違い、あっさりとした顔つきだったが、彼女らしい感じが伝わり、
「素っぴんのがぜんぜん可愛いよ!」とつい言ってしまった。
彼女はテレて舌を出す。
「で、しょうさんはどんな感じですか?」
「みおちゃんが来て、あれから三ヶ月ぶりくらいか。でも、残念ながらあまり変わらずかな。急に目を覚ましたと思ったら、ご飯食べてお腹いっぱいって言って、また寝ての繰り返し」
「そうなんですね……」
「だいたい3、4日、長いときには一週間起きなくて心配したりしたけど、身体は大丈夫みたい。昨日なら、あいつ起きてたんだけど。ちょうどタイミング悪かったかな」
その言葉に対して彼女は笑顔で、
「いえ、大丈夫ですよ。今日はきっと目を覚まします!覚ましてくれないと今までの意味がないんです。
その確認に今日、わたし来たんです」
「えと、意味って?」
「あっ、気にしないでくださいねー」
はにかんだ表情が以前より可愛らしく思えた。
「でも、わざわざ遠くから大変だったね」
と言うと、彼女は頭を振り、
「隣町だからすぐですよ」
とすぐに答えた。
「えっ、地元の大学にしなかったの?」
あれだけ考え直すように言ったのに、どうしてそのままにしたのか。
「やっぱりあいつのせい?」
「いえ、あくまで自分でちゃんと考えて決めた結果ですから。人生を変えられたとか、道を間違ったとか、ちっとも思ってないです。わたしがわたしで決めたんです」
彼女に嘘はなさそうだった。
「なら、よかった。じゃ一緒に弟のところに行こうか」
二人で弟の寝ている部屋に向かった。




