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それまでと違い、彼女の口調は早く強くなった。


「しょうさんは、おれなんて言わなかった。いつもぼく、ぼくたちだった。たしかに声も似てるし、送ってもらった写真もあなたのもの。でも、あなたはしょうさんじゃない。なんで嘘ばかりつくの!」


考えれば、これは当然の流れだった。


しょうのふりをして、しょうを悪者にしてでも、二人を離してあげよう。


でも、それで本当にいいのか? おれのなかにあった迷いの結果だった。


「わかった、もうすべてを話す」


嘘はいくら重ねても仕方ないってこと。


「ごめん、おれはあいつの兄貴なんだ。しょうの携帯を見て、二人のやり取りを見てなんとかしてあげたくて。ほんとは会ったらすぐに話すつもりだったけど、あいつがおれの写真を使ってたとは知らなかったんだ」


彼女はおれをずっと睨みつけるように見ながら聞いている。


「だったら、しょうのふりをしてみようってふと思ってさ。でも、結局は二人のことだよね。なら、事実を伝えるしかないか」


「しょうさんはどこなの?」


「しょうはここにはこれないんだ」


彼女は何かを察したように、すがるような眼差しに変わった。


「もしかして、しょうさんに、なにかあったの?」


おれはそれには答えず、


「みおちゃん、今からうちにきてくれない?」


と声をかけた。


彼女は小さく頷き、無言のまま、おれの斜め後ろをふらふらと歩きだした。

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