第16話 嘘
どうしよう……。
「あ……あの……〔シーガル〕って聞こえて。……えと……俺も、好きで……」
「おおっ! だよな! いいよなぁ~、やっぱり!」
「良かったな。そんな、小さな子と話が合って」
「うるせ。こーゆーのに、年齢は関係ないんだよ」
……よかった。何とか、ごまかせたみたい。
けど……やっぱり〔シーガル〕なのは、間違いないみたいだ……。
「あの……それで、さっき言ってた〔シーガル〕って、何機来てるんですか?」
「それが、一機だけなんだよなぁ。作業用に改修された旧式もあったけどさ。胴体から下が無限軌道付きのブロックになってんの。無いわ~」
「へ…へぇ……」
俺は、けっこう嫌いじゃないかも。そういうの。
――じゃなくて。
作業用の機体まであるってことは……。
「坊主は〔シーガル〕だと、どれが好きなんだ?」
「え? え…っと、【ガネット】……ですね。03系とか……」
正直、連合の機体は、あんまり詳しくないけど……。
【ガネット】なら、フリッパー小隊で撃破した機体のパーツとか使ってたから、すこしはわかる。
「おおっ! 03系とは、通だねぇ! 機能美だよなぁ~」
「で…ですよね」
なんとか、切り上げないと……。
でも……もうひとつだけ……。
「えと……さっき、『基地を奪還した』って言ってましたけど、それっていつのことなんですか?」
「ん? あー……二~三日前だったかな」
「いや。雨の日だったから、四日前だろ」
「あぁ! そうだった! 雨があがったと思ったら、いきなりドカーンって始めやがったんだよな!」
雨の日……ネイトが帰ってきた日だ。
もうそんな時から……?
「なんで、そんなことを聞くんだ?」
「お店の人」が、まっすぐ俺の目を見て聞いてきた。
「え…っ? ……えっと……」
「そういやぁ、見ない顔だな。坊主、どこから来たんだ?」
「走ってきた人」も、俺の顔をのぞき込むみたいにして見てくる。
……どうしよう。
もし、異星人と一緒にいたなんて知られたら……。
「あ……あの、俺…」
「ここにいたかッ! この、どら息子がぁッ!!」
「ぉぉおお親父っ!?」
いきなり大声がして振り返ると、大きな金槌を持ったおじさんがすごい顔で歩いてくる。
岩みたいな体。頭に巻いた布の下には、虎みたいな目。
四角い顔は髭だらけで、鼻と口が島みたいに浮かんでる。
「どこを、ほっつき歩いてやがった!」
「基地ですよ、親父さん。ロボット見に」
「おまっ……裏切ったな! あと、人型機動兵器だっ!」
「裏切るもなにもないだろ」
……心臓が破裂するかと思った。
「またかッ!! 半人前のくせにロボットなんぞに、うつつを抜かしゃぁがってッ!」
「人型機動兵器だっ!」
でも、岩のおじさんのおかげで助かった……。
今のうちに離れよう。
――だけど……どういうことだろう……。
ジャンさんとリゾーリさんは、確かに「チトラル基地の味方は無事だった」って言ってたのに……。
今の話だと、もうとっくに連合の部隊が入ってたってことだよね……。
……もしかして……二人が裏切ってた、とか……。
あ……でも、たしか前に隊長が「連合は捕虜をとらない」って言ってたような。
……わからない。
それより……今、基地に行ったら……。
――みんなが、危ない。
「……何だよ、それ……」
いいじゃないか。
みんなは、俺をだまして。利用して。邪魔になったから捨てたんだ。
「どうなったって…………知るもんか」
みんななんか。
……みんななんか……そのまま連合のやつらにやられて死…………。
…………何でだよ。
何で、こんな気持ちになるんだ……。
「ちくしょう…っ! 何でだよ、もうっ!」
気がつくと俺は、もときた道を駆け出していた。
「岩のおじさん」は鍛冶屋さんです ”(´・∞・` )ムッキムキです
そして、ようやく乗りますよぅ \(´・∞・` )
ホント、構想してた一番最初に「5~6話で終わるかな」と思ってたのは一体なんだったのか…(´・∞・` )その後も「長くても10話かな」とか思ってましたし
けっこう駆け足で書いてるわりに長くなってます(´・∞・`;)むずかしいなぁ




