第15話 もうすぐクリスマス
「ごめん……。じゃあね……」
【ロックホッパー】の脚に手をあてて、顔のほうを見上げた。
胴体から上は迷彩ネットとたくさんの枝で覆われて、枝の生えたオバケみたいになってる。
ちゃんと顔を見てお別れしたかったけど、なんだか、このままにしてあげたかった。
~・~~・~・~~・~
「ホントにあったんだ……村」
森を出て丘を下ったところに、村があった。
俺が生まれた村と同じぐらいの大きさで、けっこう人もいるみたい。
俺の村でも、よその村や町との交流もあったし、異星人が上陸してからは避難してきて移り住む人も多かった。
「ここも、そうだといいけど……」
ネイトに言われたとおりに動いてるみたいで嫌だったけど……あのまま一人で生きていくなんて無理だってことくらい、俺にだってわかる。
「たしかこういう時って……集会所ってとこに行って、村のちゃんとした人とお話しなきゃいけないんだよね」
村の中を歩いていると、いろんな所から視線を感じる。
でも、あんまり警戒はされてないみたい。
俺が子どもだからなのか、交流の多い村だからなのか、はわからないけど。
「あれって――」
村の中心の広場に大きな木が立っているのが見える。
村の子たちや大人たちも何人か、楽しそうに大きな木に飾り付けしてる。
そっか。
もうすぐ、クリスマスだった。
すっかり忘れてたな。
俺の村でも毎年、あんな風に飾り付けしてお祝いしてたっけ。
……異星人も、クリスマスはお祝いするのかな?
もし…………もし、あのままみんなといられたら……そしたら――
「………………」
とにかく、受け入れてもらえるか、話をしなきゃ。
たぶん、あの建物が集会所――
「おーーーいっ!」
びっくりして振り返ると、若い男の人が走ってくる。
何だろう…っ?
もしかして、俺がどこから来たのか見てた人がいた……?
腰に隠した銃が頭に浮かんだ。
でも……こんなとこで銃なんか出したりしたら――
「どうした? そんなに慌てて」
走ってくる人を見たまま動けないでいると、後ろのほうから声がした。
また振り返ると、走ってくる人と同じくらいの年の男の人が、木箱を置きながらこっちを見ている。
木箱には、果物とか野菜が入っていた。
お店……なのかな?
「それがさ! 大ニュースだぜ!」
今度は、走ってきた人が俺のすぐ横を通り過ぎて、心臓が飛び上がった。
「またか。大方、チトラル基地に新しい〔シーガル〕でも入ったんだろ?」
「何だよ、知ってたのか?」
「知らん。お前は、いっつもロボットの話ばっかりだからな」
「人型機動兵器だっ!」
「ロボットは、ロボットだろ」
「ロボ……ットは、ロボットなんだけど、人型機動兵器なんだよっ。そのほうがカッコイイだろっ」
「わからん」
走ってきた人が、頭を抱えて「かぁーっ!」って言いながら身もだえしてる。
……でも今、〔シーガル〕って……。
「けど――前のは基地を奪還した後、すぐどっかに行っちまったよな? 戻ってきたのか?」
「いやいや、基地防衛用に新しく配属されてきたんだよっ。これでしばらく見に行けるぜ。くぅーっ」
「やめとけよ……。下手にうろついてると、スパイ容疑で連合の兵隊に”しょっ引かれる”ぞ。大体、お前、また仕事ほったらかして――親父さんに見つかったら…」
「軍用機が見れるってのに、親父の用なんか聞いてられるかっ。――〔バトリーク〕も良かったけど、〔シーガル〕のフォルムもまたいいんだよなぁ」
目をつむって深呼吸するみたいに両腕を広げてる「走ってきた人」と、あきれ顔で作業をつづける「お店の人」。
だけど……「基地を奪還」って……「連合」って……。
「まさか、そんな……」
「ん?」
「何だ? どうした、坊主?」
あ……。
しまった。つい……。
気がつくと、両腕を広げたまま腰をひねって振り返った「走ってきた人」と、果物を片手に顔を上げた「お店の人」が、じっと俺を見ていた。
こういうキャラ書いてる時が一番楽しいかもw (´=∞=` )
ダクファン好きなんですけど、書くとなると好き嫌いはっきり出るなぁ…というのが、発見ですね(´・∞・` )ふむぅ
人外キャラとか、ちょっと抜けてるキャラとか、は書いてて楽しいです ”(´・∞・` )
「サザクロ」のテオのお話は、けっこうノリノリでしたけど(´・∞・` )
さて、2月中に書き終わると思っていた本作も、ようやく後半戦 \(´・∞・` )想定外っ
一応、「ほー、なるほどねぇ」ぐらいには思って頂けるラストになっている…と思うので、引き続きお付き合い頂けたらチャウ感激 ”(´・∞・`*)




