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ブルーボーダーAS  夕焼け色のサンタクロース  作者: 黒舌チャウ


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第12話  ご苦労様

「まだかなぁ……」



 また、暇。


 今日はとってもいい天気なのに、俺たちが隠れている森の中は薄暗い。

 木漏れ日が差す場所が点々としていて、そういう所を眺めてるとすこしだけ気分は明るくはなるけど。



 パミール基地を諦めてチトラル基地に向かった俺たちは、これまでと同じように「慎重に」移動していた。

 今は、ようやく目的地の近くまで来たところ。


 ジャンさんとリゾーリさんがチトラル基地の様子を見に行ってる。




「ネイトは、また見張り?」


「そうなの……。『代わります』って言ったんだけど、『オレなら平気だ』って……」



 リーナさん、心配そう。

 ……ちぇっ。



「好きにさせてやれ。一人にしてやる時間も必要だ。――無理が見えるようなら、俺がちからずくでも休ませる」



 うん。休ませるとか関係なく、「力ずく」してやってほしい。



 今隠れているところは、見つかりにくいところなんだって。

 だから見張りも、ネイト一人。

 俺とリーナさん、ピートさんの三人は、小型支援車両の近くで座って待っている。

 


 俺だって、銃を持たせてもらったんだ。見張りぐらいできる。


 銃は、小っちゃいけど……。


 本当はリーナさんにも銃を見せたかったけど――そんなことしたら、なんだかピートさんに取り上げられそうな気がしてやめた。


 ……やっぱり、ちょっと自慢したい。

 ピートさんがいない時に、こっそり見せちゃおうかな。小っちゃいけど。

 



「ん、帰ってきたな」



 ピートさんが顔を向けた先から、「斥候」に出ていたジャンさんとリゾーリさんがバイクを押しながら歩いてくるのが見えた。



「どうだった?」



 ピートさんの質問に、首を横に振りながらジャンさんが、縦に振りながらリゾーリさんが答えた。



「クリアだ。チトラルの味方は無事。連合のやつらも来てねぇ。こっちの機動兵器も確認」

「輸送機も一機、確認できました」


「やはり、そうか……」



 …………?


 ピートさんの声が重い。

 

 問題なさそうだけど?




 その後、ネイトを呼び戻して、また大人だけでお話。


  

「……また見張りでも、しようかな」



 ――なんて言ってたら、今回はすぐに終わった。



~・~~・~・~~・~



「――ねぇ。ホントに、ネイトの【ロックホッパー】置いてっちゃうの?」


「ああ。あまり派手に動くと、連合のやつらに嗅ぎつけられるからな」



 大きな木の枝をたくさん抱えたピートさんが、「わさわさ」しながら言った。



「本当は、鹵獲されないように焼くべきなんだが――それだと、煙や火で目立つ」



 木の枝の束を放り投げたピートさんの後から、同じように「わさわさ」させたジャンさんとリゾーリさんが続く。



「手間がかかる上に、効果はあって無いようなもんだろうがなぁ」

「とはいえ、むき出しで置いていくわけにもいきませんしね」



 機体にかけた迷彩のネットの上から、みんなでどんどん枝をかぶせていく。

  


 斜面になっているところに寄りかかるみたいにして座らせてるから、森の木に隠れるのはわかるけど――

 近くで見ると「何か」あるのが丸わかり。


 そもそも、脚とか出ちゃってるし。


 大丈夫なのかな? これ。


 

 

「……悪ぃな。これまで、よくやってくれた。いつか……必ず迎えに来る……」



 中途半端に枝の乗った【ロックホッパー】の脚に手を添えて――ネイトは、ちょっとさみしそう。


 なんとなく……わかる気がする。



「軍曹……」



 リーナさんは、また心配そう。


 わかる……けど。

 むむむ……。



「……チッ。こんなんだから、オレはダメなんだよな。隊長や、ロンダみたいに出来ねぇ……」



 ネイトらしくて、俺は別にいいと思うけど。



「お前はそれでいいのさ。そのままでいればいい」



 独り言みたいだったし言わずにいたら、代わりにピートさんが言った。



「現実を見据えて行動するのは大人の役目だ。だが、な――大人が夢を語る姿を見せられなくなったら、この世界は終わりさ。俺はそう思ってる。それに――」



 「隊長も案外、お前と大差なかったぞ?」って、言いながら笑ったピートさんの向こうで、ジャンさんとリゾーリさんも笑った。





 その後、小型支援車両とバイクも置いていくって話になって、そっちにも枝を乗せた。



 歩いていくの? 嫌だなぁ……。



 しぶしぶ荷物を持って、移動の準備を終わらせたみんなのところにいこうとしたら、ピートさんが立ち塞がるみたいに前に立って――



「バーニー、お前はここまでだ。ご苦労だったな」


「え……?」



 今まで聞いたことのない冷たい声に見上げると、無表情で俺を見下ろすピートさんの顔があった。




 


このお話、本来違うかたちにする予定だったんですけど、後々説明する余裕がないのでこんなかたちに…(´;∞;` )力不足ゆえです…


うわはーん(´;∞;` )あぁはぁはーん



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