第11話 引き金を引く理由
「――こっちの話だ。それより、どうだった?」
「駄目だ。パミールには連合の部隊が入ってた」
「かなりの規模でした。こちらの守備隊も、すでに敗走した後のようですね」
ピートさんが、帰ってきた二人に向き直って訊ねると、すこし疲れた様子のジャンさんとリゾーリさんがそれぞれ答えた。
二人の言葉に、難しい顔をしたピートさんが続ける。
「別動部隊でこちらの退路を断ったか……。予測はしていたが、思ったよりも動きがが速かったな」
「だな。相変わらず、数だけは立派に有りやがるときてる。――どうする? おやっさん」
「『鉱山地帯』からの友軍は捉まるだろうが――だが、先んじて動いた俺たちにはまだ猶予がある。包囲が整う前の隙を突こう」
「可能性があるとすれば、チトラル基地でしょうか? パミールよりは小規模な基地ですが、補給拠点でもあったので輸送機もあるでしょうし」
何だか急に大変そうな話になって、話に入りづらい。
もうすこし後で帰ってきてくれたらよかったのに。
その後、ネイトとリーナさんも入れて、大人だけで相談してるみたいだった。
俺だけ、もやもやしたまま、ひとりでやることがない。
暇だから、一応、見張りをしといた。
俺だって戦えるんだ。
銃さえあれば、俺だって――
「バーニー」
ひとりでいたら、ピートさんが歩いてきた。
「もう……お話は終わったの?」
「ああ。……バーニー、こいつを渡しておく」
そう言うと、いきなりかがんだピートさんが、ブーツの中から何かを取りだした。
……何だろ……あれ。
あ……銃…………なのかな? え、なんか小っちゃい。
「そんな顔をするなら、やらないぞ?」
「い、いる! もらう!」
ピートさんが、差し出した俺の両手に銃を乗せる。
銃は、俺の両手で十分収まるくらい小さかった。
なんか……想像してたのと違うなぁ。
「こいつは護身用だ。そもそも、お前じゃ通常の銃は無理だ。これで我慢しろ」
「うん……」
正直、ちょっと不満だけど。
でも、せっかく持てた銃を「返せ」って言われても嫌だし。
ピートさん、まだ銃握ったままだし。
それに――こんな銃でも、敵をやっつけたら、もっとちゃんとした銃を持たせてくれるかもしれないもんね。
「いいか? 敵に銃を向けたら、引き金を引くのをためらうな。迷えば、自分が死ぬことになる」
「わかった」
ためらったりなんか、しない。
「それから、決して感情で引き金を引くな。恐れや怒り、憎しみで銃口を向けるな。――できるか?」
「できるよ」
ピートさんの目を真っ直ぐ見ながらうなづくと、ようやく銃を握る手を離してくれた。
ちょっと怖いくらい真剣な目で言うから、思わずうなづいちゃったけど――最後のは約束できない。しない。
銃をくれたピートさんに嘘……ついちゃったけど……でも、俺はやっぱり連合のやつらが許せないんだ。
本当は〔バトリーク〕に乗って連合のやつらをやっつけたかった。
――だけど、これで俺も戦える。
「えっ!?ピート、あっさり渡しちゃうんかいっ(´゜∞゜`)」
な、お話でした ”(´・∞・` )
大丈夫です、ちゃんと理由あります ”(´・∞・` )あるのです
今更、なんですけど、本編「ブルーボーダー」にて公開を止めている次話がウィクトーリアにちょっと関連してまして(´・∞・` )
そちらの情報もあったほうが、本作をすこしだけ楽しめるのでは?と思い立ち、公開することにしました \(´・∞・` )合わせて読んでくれたら、チャウ感激!




