表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勝手に生きてます  作者: ねこまんまときみどりのことり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/56

ルナ、デバルム帝国へ戻る

10/27 6時 誤字報告ありがとうございます。

大変助かります(*^^*)


11/5 11時 誤字報告ありがとうございます。

大変助かります(*^^*)

 「結局国王にも、ルナってことをバラしちまったな」


 「いやぁ。隠せなかったよ、さすがに。

だって私が何か困ったら、何があっても駆けつけるとまで言ってくれたんだもん。さすがに身分を明かさないのは、違うかなと思って」



無事にルナの懸念事項だった、祝福を解く薬のレシピを伝えることが出来た。ついでではないけれど、無事にユズキューレを救うことにも成功した。


寒さの激しい場所では、喘息は命取りである。このタイミングで出会えて良かったのかもしれない。


彼女は国王夫妻の1人娘だから、継承権争いに巻き込まれるかもしれない。けれど今までの不調は、みんなが知るところだ。

もし彼女がその地位に留まるのが嫌なら、体調のせいで辞退することも出来るだろう。

祝福の薬で彼女が健康体になったのは、彼女の身内のような人しか知らないのだから。


もしメシャーベル国で紫の瞳の人が見つかったなら、時間がかかっても馬車を飛ばしていつでも行けるだろう。

けれどアイスグラウンドは、天候によっては視界不良で入国出来ないこともある。だからこそ、自分が行ける最速の冬期休暇で向かったのだ。


国王夫妻や家臣達にも、紫の瞳の人は見たことがないと言う。いないことに越したことはないが、今後も注視して貰うことを約束してくれた。



「また一つ、やりたいことが叶ったよ。こんな所までついて来てくれてありがとう、ケイシー」


「何処にだってついていくさ。存分に頼ってくれよ。まあ今は、頼りないかもしれないけどさ。もっともっと、強くなって守ってやるからな」


「私はずっと、ケイシーに助けて貰っているよ。いつだって、頼りがいあると思ってるからね」


ルナが知らない時から、ケイシーに守られていた。最初は仕事だったのに、いつの間にか目が離せなくなっていたケイシー。

今は照れることなく、自然とこんな台詞を言い合えるようになっていた。ちょっと熟年夫婦みたいだ。


恋人より相棒と言う言葉が似合うけど、いつも一緒なのが当たり前になりつつある2人なのだった。


「リオの為に主婦達の刺繍も買い取ったし、白熊や大鹿の肉のスパイス漬けのお肉や、アイスグラウンド王国にしかないアルコール度数の高いお酒も貰ったし、伝統の砂糖菓子も作りたてをくれたし、ホクホクだよね」


「そうだな。みんな待ってるから、早く帰りたいな」

「うん。やっぱり、みんながいる場所が良いね」


なんて余裕な2人を他所に、魔法使いのボビーはフラフラしていた。


「もうすぐ大金が入るから、格好良い魔法使いのローブを買って、モテモテになるんだ! イチャイチャの2人に(精神的に)負けてたまるか!」と、呟くのだった。


ケイシーのことを知っているシュートンとアゲンストは、“ずいぶんと成長したな ”と感慨深く馭者席で会話を交わす。彼らはケイシーが根無し草のように生きていた時も知っているから、余計にそう思うのだろう。

幸いにして車輪の音で、後方にいる者に会話は聞こえないのだった。



◇◇◇

デバルム帝国内で、ルナやリオが活躍していたことにより、一つの問題が起きていた。


帝国に来てからは、全然社交界に出ていない2人なので気にしていなかったが、彼女達は注目されていた。


ルナは既にケイシーと婚約状態だが、親しい高位貴族との繋がりや商売利益のことで、アプローチしてくる貴族が未だに多くいた。

リオは教会への高額の寄付や孤児院への慰問、さらにはタルーシアラ王国の侯爵令嬢で婚約者がいない為に、人気が集まってしまったのだ。


お忘れかもしれないが、2人とも黄色の明るく艶やかな髪とエメラルドグリーンの煌めく瞳を持つ美人。

カトレイヤ造園商会の美容用品を使うことで、いつも良い香りを纏っていた。



そこに帝国の第一皇子ビヨンドから、アラキュリ侯爵家にアプローチがあったのだ。勿論、それは王命ではない。

「我が国に貢献している令嬢に、第二夫人になる気はないだろうか?」と。


既にビヨンドには妻子がいる。年齢も31才とかなり上である。第二皇子ユガットは25才でまだ独身であるが、それは皇子のいないビヨンドを慮ってのことだった。優秀で体術も剣技も強い彼は、多くの騎士からも一目置かれる存在なのだ。


まだ将来の皇帝となる皇太子は決まっていない。

国力を上げる為に、自然豊かなタルーシアラ王国は魅力のある国である。

王位を決める為にもタルーシアラ王国と協力関係を強く結びたいビヨンド。その為には婚約者のいる王女よりも、まだ年若く婚約者のいない公爵または侯爵の令嬢が狙われていた。


デバルム帝国は実力主義社会で、平民にもチャンスが多い良い国である。今の皇帝はうまく治世を維持している賢王と呼ばれていた。しかしビヨンドは貴族優勢主義を掲げており、一部の貴族には支持されていたが、他の貴族や平民には人気がなかった。


「国が富めば、自然と民はついてくる」と持論を翳すビヨンド。


それでも安寧の為にビヨンドを指導しながら、彼に皇位を継がせようとする皇帝とユガット。その心はビヨンドには伝わらないのだった。


そんな時に帝国に現れたルナとリオ。


帝国は、軍事力も商いも賑わう広大な国である。そこからの要求であれば、なかなかに断るのは難しい。


せめて正妻ならまだ話は解るが、皇帝になる為の駒にされるのが見え見えである。


タルーシアラ王国の国王とて侯爵家には負い目があり、無理にリオを嫁がせたくはないのだ。


肝心のリオはと言えば、まだまだ旅の途中である。


楽しくも大変な旅の最中に、こんな知らせなどしたくはないジローラム。ルナをリオルナリーだと知っているアルオさえ、何とか回避出来ないかと思考を巡らせていた。

リオがリオルナリーになっていることを、最近知ったアルオには罪悪感が芽生えていたのだ。


「俺が2人の運命を歪めてしまった。こんな思いをさせるくらいなら、縁を切った方が良いのかもしれないな」



そう言う彼には、もう養育権はない。

ジローラムに託す以外、道は残されていないのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ