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第八話 イケメンと美人な冒険者

 冒険者ランクはないけど、指名依頼を受けれるか受けれないかもしくは制限依頼を受けれるか受けれないかがある意味のランクになっているのだろう。

 ひたすら薬草を採っている人もいそうだし、護衛や討伐専門もいるかもしれない。

 冒険者の中でも、専門性はかなりありそうだ。


「続いては、魔法使い用の冊子だね。ペラペラ、うーん、魔法の訓練方法はグミちゃんに教えて貰った方が良さそうだね」


 残念ながら、魔法使い用の冊子に書かれていた訓練方法は、全てグミちゃんに教えて貰ったものばかりでした。

 こればっかりは、どうしようもないね。

 グミちゃんが任せろと触手で胸を叩いていたから、グミちゃん先生にしっかりと教わろう。


「でも、冊子に魔法の種類が細かく書いてあるのはとても助かるね」


 魔法使い用の冊子によると、私が使える魔法は、聖魔法を筆頭に幾つかの無属性魔法と身体能力強化魔法だった。

 グミちゃんも、これで間違いないと言ってくれている。

 因みに、グミちゃんは風魔法を中心に、無属性魔法と身体能力強化魔法が使えるそうです。

 私と被っている魔法もあるそうなので、グミちゃんに教えて貰いましょう。

 ふう、取り敢えずはこんなもんかな。


「いつの間にか、人が沢山入ってきたね。テーブルが殆ど埋まっているよ」


 二つの冊子を魔法袋に入れて辺りを見回したタイミングで、シスターさんが申し訳なさそうに私に話してきた。


「申し訳ないのですが、相席をお願いしても良いですか?」

「えっと、受付にいる若い男女ですよね。大丈夫です」

「ありがとうございます。それでは、席にお二人をお連れしますね」


 相席が暑苦しいゴリゴリマッチョの男性だったら相席を断るかもしれないけど、受付にいたのは美男美女だった。

 しかも、とても感じの良さそうな人だと何となく思った。

 そして、シスターさんが美男美女を私が座っている席に連れてきた。


「お嬢さん、いきなり相席になってすまんな」

「あら、スライムのお友達もいたのね。急にごめんなさいね」

「いえ、私も一人だったので話し相手が出来て嬉しいです」


 目の前に座った美男美女は、とても爽やかな人だった。

 金髪をスポーツ刈りにしたとてもイケメンな男性に、綺麗な青のロングヘアで胸の大きい女性だった。

 私が感じた勘は間違いじゃなく、今は十二歳の私にも丁寧に接してくれた。

 顔やスタイルだけでなく、心も良い人だね。


「俺はジェフで、連れがアクアだ。二人でコンビを組んで、冒険者活動をしている」

「あっ、お二人とも冒険者さんなんですね。私はマイで、このスライムはグミちゃんです。私は、さっき冒険者登録したばっかりなんです」


 何となく冒険者かなと思ったけど、やっぱり二人は冒険者だった。

 二人とも、とっても強そうな気配がしているね。


「マイちゃんは、とても丁寧な喋り方が出来るのね。それに、熱心に冊子を読んでいたわね」

「この後初心者冒険者向けの講座に参加するので、その前に冊子に目を通そうと思っていました。できる事はやっておいた方が良いと思ってまして」

「いい心がけだ。一度も冊子を読まない冒険者もいるが、大抵まともな奴じゃない。マイみたいにキチンとした者ほど、依頼の成功率は高いぞ」

「予習をするのは、今後の事を考えるととても良い事よ。依頼を受ける時に、調べるという癖がつくわ」


 おお、やっぱりジェフさんとアクアさんはとっても良い人だ。

 初対面の私にも、色々なアドバイスをしてくれた。

 グミちゃんも、二人の話を聞いてふむふむと頷いているよ。


「マイの戦闘職種は何だ? その姿を見ると、格闘タイプに見えるが」

「えっと、実は聖魔法を中心とした魔法使いです。でも、格闘技もできます。その、まだ魔法使いとしてはひよっこですけど」

「格闘タイプ兼魔法使いか。中々面白い組み合わせだな」

「冒険者登録した時に、魔法の才能が見つかったのね。魔法使いだけでなく他の戦闘もこなせるから、鍛えればかなり良い冒険者になれるわ」


 ジェフさんとアクアさんは、私の戦闘タイプを聞いてもキチンと色々と答えてくれた。

 正確には聖魔法は冒険者登録する前から使えるって分かっていたけど、あの大失敗を見れば魔法が使えないのも当然です。


「因みに、ジェフさんとアクアさんはどんな戦闘タイプなんですか?」

「俺もアクアも剣士タイプだ。扱う剣の種類は違うがな。俺がショートソードで、アクアがダガーの二刀流だ」

「後衛職がいないけど、お互いが連携してやっているわ。マイちゃんは一人で、前衛も後衛もできるわね」


 料理が運ばれる間、私はジェフさんとアクアさんから色々な事を教えて貰いました。

 戦闘タイプはもちろんのこと、冒険者としての心得や注意するべき事まで多岐にわたりました。

 そして、昼食を食べながらその理由を教えてくれました。


「実はな、午後の初心者冒険者向けの講座の講師をやるんだよ。子どもから大人まで、それこそ面倒くさい自信過剰な奴もいるがマイみたいな真面目なのがいて助かったよ」

「普通の人だったら、真面目な人がいたら私もちゃんとやらないとって思うのよ。まあ、そんな事なんて関係ないって思う人もいるのは事実よ」

「色々と教えてくれて、本当にありがとうございます。私も自分勝手な人には注意します」


 ジェフさんとアクアさんが講師をしてくれるなら、私もグミちゃんもとっても安心です。

 こうして、新しく出会った冒険者と楽しくお喋りをしながら昼食を堪能しました。

 あっ、パスタはとても美味しくて、この世界の食事に希望を持ちました。

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