96話
不思議の国に到着したボク達はそのままレヴィアタンのいるクリフォトの樹の世界へ移動。
クリフォトの樹の世界は上層も中層も下層も赤い空が広がる世界。下層は魚のモンスターがいる場所でもあり、悪魔レヴィアタンがいる場所で赤い海が広がる世界。
ボクはまだレヴィアタンを倒していないため、個別ストーリーは第6章で止まっている状況。
「これがレヴィアタンですね」
ボクが活動していなかった3週間の間にマリナさんやメリーさんは一度レヴィアタンを倒しているという事もあり、一瞬でレヴィアタンを撃破。
個別ストーリーの第6章が終わったのでムービー開始。
一度倒した悪魔達が復活していく。サタンは混沌蟲と融合して、サタンオオカブトの姿に変化。レヴィアタンはバハムート、ベヒモスと融合してジャバウォックの姿に変化。ベルゼブブやマモンもそれぞれ姿を変化させて、ムービーは終了。
第7章は4人の悪魔。
本来のストーリーの流れとしては、クラブのマークのボクはここから太陽の金猿、時間の国にいる天悟空、今際の国にいる地悟空に会って昇級する。
天悟空からモンスター融合のスキルを授かり、モンスター融合と反転付与のスキルを活用して融合したモンスターを分解して悪魔を倒すのが普通の流れ。
でも今はそんな事をしているヒマはない。多少時間はかかるが融合した状態で悪魔を倒す。
「よし、それではジャバウォックのいる最下層に行きましょう」
最下層は真っ赤な空と真っ赤な大地が広がる世界。最下層にはジャバウォックしかいない。
ジャバウォックは蛇と馬と魚が融合して鬼の姿をしたモンスター。蛇馬魚鬼でジャバウォッキとも言う。
「みんな準備はいい。ハヤトくんは様子を見ながらヘイトが向かないようにしてブリューナクの槍を使って攻撃してね」
クラブのジャック級のボクのランクではブリューナクの槍の必殺の効果は発揮せずに必中の効果のみ発揮する。
ボクの鈍臭さでもブリューナクの槍が必ず当たるのはいいが、ヘイトが向かないようにするためにはジャバウォックの行動を冷静に分析する必要がある。
「わかりました」
ジャバウォックとの戦闘開始。
エレメンタルゴッドギア(EGG)の秘宝を持つ弓タンカーのスズメさん。
マルミアドワーズの秘宝を持つ魔法剣士のメリーさん。
聖杯の秘宝を持つ神聖魔法使いのマリナさん。
そして、ブリューナクの槍を持つ純生産職のボク。
スズメさんは属性を瞬時に切り替えれるEGGを活用して融合したモンスターの弱点を的確に攻撃。ヘイト管理しながらタンカーの役割もこなす。
メリーさんの持つマルミアドワーズは近距離攻撃の範囲の好きな場所にドアを作りだし瞬間移動出来る能力。決してどこでもドアと言ってはいけない。
マリナさんは聖杯の能力を使ってMPを回復し、みんなをサポート。
ボクはみんなの立ち回りとジャバウォックの立ち回りを分析しながら、ブリューナクの槍を発射。決してうんこブリューナクと言ってはいけない。
「ジャバウォックの動きに変化が出てきました。もうすぐ倒せると思いますが注意しましょう」
時間はかかったもののジャバウォックをなんとか撃破。
リュウイチさん達はボク達よりも先に悪魔を倒していたようでムービーが始まった。
浄化の光の効果により無になり復活しなくなった悪魔達。その異変に気付いた赤の女王が立ち上がる。
ここでムービーが終わり、最終章が始まった。
最終章は生と死。
「ボク達が1番遅かったみたいですね。リュウイチさんに負けないように急いで赤の女王のところに行きましょう」
「はい」
「お姉ちゃん、ちょっと待って!!」
突然背後から聞こえてきた声。後ろを振り向くとそこには亀梨カリナさんの姿。
「カリナ、どうしてここに?」
カゲトラさんやレミさんと一緒に反乱を起こし、クランが解体された後は行方知らずとなっていたカリナさん。
「スズメの代わりに私をパーティーに入れて欲しい。私ならスズメの代わりを出来るわ。いや、私の方がスズメより上手く弓タンカーとして立ち回りする事が出来るわ」
「おい、今さら出てきて何言ってんだ。こんなヤツの言う事に耳を貸してないで急いで赤の女王のところに行かないとリュウイチ様に負けるぞ」
実力で言ったらスズメさんよりカリナさんの方が上で、カリナさんの方が上手く立ち回れるのは事実。
「たしかにカリナさんの方が実力は上でしょう…」
「じゃあ私をこのパーティーに入れてくれるんだよね?」
「おい、まさか私をパーティーから外そうっていうんじゃないだろうな」
睨み合うスズメさんとカリナさん。
「ちゃんとボクの話を聞いて下さい。たしかにカリナさんの方が実力は上でスズメさんの代わりを出来るとボクは思っています。でもボクはカリナさんにしか出来ない頼み事をしたいと思っています」
「私にしか出来ない頼み事ですか?」
「はい。カリナさんはこれからレミさんに会って愛を与えて欲しいです。これはスズメさんには出来る事ではありません。孤独なレミさんを救えるのはカリナさんだけです。どうかお願いします」
ボクは地面に頭を擦り付けて土下座。
「なんであんなヤツのためにハヤトさんが土下座なんてするのよ。おかしいよ……」
「カリナさんはボクがレミさんのために土下座するのがそんなにおかしいと思いますか?ボクは昔、今のレミさんと同じように孤独でした。だから今のレミさんの辛さが手に取るようにわかります。カリナさんもこの気持ちわかるのでは?」
「……私の周りにはいつも多くの人はいたけど、私はいつも孤独だった。みんなマリナの妹としか見ていなくて、唯一私の事を見てくれたのはハヤトさんだった。ハヤトさんはレミさんの事もちゃんと見てたんだね。わかった、ハヤトさんの頼みなら断りはしないわ」
「よろしくお願いします」
カリナさんは移動アイテムを使い、どこかに移動。
「それでは赤の女王のところに行きましょう」
「……うん」
「……はい」
ボク達はクリフォトの樹の世界から不思議の国へ向かった。




